2015 Fiscal Year Research-status Report
爪試料を利用した慢性的・蓄積的なコルチゾール分泌の評価法の確立
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15K13169
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
井澤 修平 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, その他部局等, 主任研究員 (00409757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 収作 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80362911)
三木 圭一 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, その他部局等, 主任研究員 (90392894)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コルチゾール / 爪 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は爪試料からのコルチゾールの評価法の確立のために、測定法を中心に検討を行った。爪のコルチゾールの測定においては、検体の洗浄、粉砕、抽出、酵素免疫測定の工程を踏むが、本実験では、特に、爪検体の粉砕の際の細かさ(粉砕粒度)やコルチゾールの抽出時間について検討を行った。健常な14名の男性から爪を採取し、測定にあたって、粉砕粒度の条件(粗い、中程度、細かい)と抽出時間の条件(1、6、24、48時間)を設定した。上澄み液にろ過処理を施し、蒸発乾固させた後に、最終的にコルチゾールの抽出量を酵素免疫測定により評価した。その結果、粉砕粒度が細かいほど、また抽出時間が長いほど、抽出されるコルチゾールが多いことが示された。また、粉砕粒度と抽出時間の交互作用が有意であり、爪試料が中程度以上に粉砕されていて、かつ抽出時間が48時間の条件では、粉砕粒度の影響は小さいことも示された。爪のコルチゾールの定量においては、爪検体の細かさやそれに引き続く抽出時間の長さについて十分に留意する必要性が示された。これらの一部の結果は第11回日本感性工学会春季大会で発表を行い、また第86回日本衛生学会学術総会においても発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
爪のコルチゾールの測定条件について一定の見解が得られらため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の実験で、爪検体を粉砕せずともコルチゾールをある程度、抽出できる可能性が示された。平成28年度は、測定の簡略化も考慮して、爪を粉砕しない条件においてコルチゾールを抽出できるかを検討する。また、それとあわせて、爪の成長速度の影響や、マニキュアへの暴露の影響も検討を進めたい。
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Causes of Carryover |
外部機関に委託して被験者を募集することを想定していたが、長岡技術大学において学生を被験者とすることができたため、それにかかる費用を安く済ませることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
爪検体を粉砕しないでコルチゾールを測定する条件について追加で検討を行うこととしたため、その実験費用として利用する。
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Research Products
(2 results)