2015 Fiscal Year Research-status Report
東北地域の大学進学問題―教育社会学と比較教育学の研究手法の融合―
Project/Area Number |
15K13170
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 正弘 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (30423362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 詩帆 佐賀大学, 全学教育機構, 准教授 (30380786)
渡部 芳栄 岩手県立大学, 高等教育推進センター, 特任准教授 (60508076)
丸山 和昭 名古屋大学, 高等教育研究センター, 准教授 (20582886) [Withdrawn]
高森 智嗣 福島大学, 総合教育研究センター, 准教授 (80583103)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育政策 / 高校生の進路希望 / 東北地域 / 地域特性 / 混合研究法 |
Outline of Annual Research Achievements |
5月31日(土)に第1回研究会を筑波大学東京キャンパスで開催し,東北地域の高校3年生を対象としたアンケート調査の質問項目を吟味した。なお,質問項目の内容について,倫理面で問題が無いかを確認するために,筑波大学ビジネスサイエンス系研究倫理委員会の審査を受け,承認を得る手続きを踏んだ。 アンケート調査への協力を,各県の教育委員会を通して,高校側に直接出向く形で口頭で依頼した。予算の関係から各県の公立進学校に的を絞ったものの,最終的に,青森県5校,岩手県4校,福島県6校にご協力いただけた。調査の対象は高校3年生で,回収数は4千弱,回収率はほぼ100%となった。 アンケート用紙のデータ入力は外注したが,この外注を依頼する前にメンバーの一部が集まり,質問紙への回答状況を確認している。そして,無効回答などの抽出を行い,それらを共有するツールとしてコードブックを作成した。現在,単純基礎集計結果の分析は終了したので,より詳細な分析に取りかかる準備が整っている。 これらの成果は,日本高校教育学会第24回大会(2016年7月16日:北海道大学),および日本教育社会学会第68回大会(2016年9月17日~18日:名古屋大学)において,共同で発表する予定である。また,質問紙調査にご協力いただいた高校への情報提供として,各高校の特徴を定量的に説明するための面談を7月頃に実施できるよう,各高校の進路指導担当教員と日程調整を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した研究計画に沿って,アンケート調査を予定の期日内に実施することができた。文献調査も順調に進んでいるため,本研究で明らかにしたい二つのうちの一つ,「地元の大学,あるいは東京圏の大学への進学希望を持つ高校生は,それぞれ,どのような特質を持つ者かを明らかにする」のに必要な定量的・定性的データは多々得られた。これらのデータの分析結果は,次年度の9月に開催される教育社会学会第68回大会(名古屋大学)で発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータを,(1)進学を希望する大学の影響,(2)進学・定住を希望する地域の影響,(3)家族・親戚・友人関係の影響,(4)保護者の学歴・経済状況の影響,という4つの観点に分けて,研究メンバーで分担して分析を進めたい。同時に,質問紙調査に協力してくれた高校の教員・生徒への聞き取り調査を進めるとともに,地域の歴史や伝統に関する文献調査を実施する。この分析結果は,学会発表・論文投稿という学術的な方法だけでなく,高校などでの講演など,非学術的な方法でも広報していきたい。
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Causes of Carryover |
研究分担者の所属が福島大学から名古屋大学へと変わったために,研究の継続が難しくなったと判断した。よって,分担金を全額返還していただくこととなった。なお,福島大学の同僚に連携協力者として新たに研究に加わっていただき,福島県の分析を担当していただいている。また,データ入力会社への外注費をディスカウントできたため,支出を抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問紙調査に協力してくれた高校の教員・生徒への聞き取り調査を当初の予定よりも充実させ,より多くのかたからの意見を集約したい。
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