2016 Fiscal Year Research-status Report
多人数講義を深い学習の場に変える発問群による教育技法の明示化
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15K13178
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 英博 名古屋大学, 高等教育研究センター, 准教授 (20345862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 俊樹 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 教授 (30303598)
寺田 佳孝 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (50705960)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教授法・カリキュラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,平成27年度に取り組んだ初中等教育における発問研究を踏まえ,大学教育における発問活用に関する調査に取り組んだ。特に,米国の大学教授法センターが取り組む発問活用教材の調査を行い,体系化のための準備を進めた。米国における発問活用研究は,授業設計研究の一環として取り組まれており,Pedagogical Knowledgeとして扱われてきた。そのため,授業の目標設定のための技法と発問の技法が同一になる傾向がある。一方で,発問はPedagogical Content Knowledgeとしての側面を有しており,教材と共に学習者に関する研究が求められるため,分野横断型での体系化については研究の方向性を見直すこととした。 また,Essential Questions研究を発展させ,本質的な問いを中心とする授業設計に関する試行モデル提案に取り組んだ。これらをとりまとめた成果の一部は,日本教育工学会第32回全国大会において発表を行った(寺田佳孝・中島英博・中井俊樹(2016)「コンピテンシー・ベースのカリキュラムの可能性と課題 本質的な問いを中心とした授業構想の例」) これらの実績をふまえ,今後は特定の専門分野を定め,学習者研究を取り入れた発問活用モデルの提案の研究を進める。2016年度は看護学における発問活用から着手した。看護学における発問活用の知見をとりまとめた後,他の分野へ転移させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の初中等教育における先行研究整理をふまえ,平成28年度は当初の計画通り,大学教育における発問群の体系化を進められた。一方で,Pedagogical Content Knowledgeとしての発問の特質をふまえ,看護学領域で先行して分野別の体系化を進めることとした。これは当初計画になかったが,柔軟に対応することで次年度以降の分野別体系化の準備を進めることができた。デザイン実践研究は,平成28年度に取り組むことができなかったが,当初計画の修正を受けて,平成29年度に取り組むこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,発問群の分野別体系化を進める。これと並行して,これまでの研究成果をふまえ,デザイン実践研究の一環として発問を活用した授業設計ワークショップを行い,成果の有効性を検証する。これらの取り組みの成果を,教授法ハンドブックとしてまとめる。
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Causes of Carryover |
研究代表者が国際共同研究加速基金の課題に取り組むために,研究計画の一部を変更した。当初の計画として実施する予定であった大学教員向けの発問スキルワークショップは次年度に実施することとし,28年度は準備作業に取り組んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大学教員向けの発問スキルワークショップの開催と,多くの専門分野で発問を中心とする授業設計のための研修教材の開発に重点的に取り組むため,29年度に次年度使用額分を支出する計画である。
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Research Products
(2 results)