2017 Fiscal Year Annual Research Report
Conceptualization of Pedagogical Correctness through a Comparative Lesson Analysis
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15K13189
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
サルカルアラニ モハメドレザ 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30535696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 正朗 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (40738217)
坂本 篤史 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (30632137)
柴田 好章 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (70293272)
渡部 竜也 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10401449)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペダゴジカル・コレクトネス / 比較授業分析 / 授業研究 / 授業の文化的スクリプト / ティーチング・スクリプト / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国際比較授業分析という研究手法を通して、授業の文化的構造を解明し、ペタゴジカル・コレクトネスの概念を解明することであった。授業分析を通して、1)現場教師と研究者の授業の分析視点や評価基準(レンズ)の違いがどこにあり、それはなぜ生じるのか。2)現場教師の中にもレンズの違いが見られるが、どの点に違いがあって、それらの違いはなぜ生じるのか。3)研究者間にも違いが見られるが、それらはどのような違いがあって、それらの違いはなぜ生じるのか、その一端を明らかにすることができた。コレクトネスの構成には理解、納得、達成、協同、安心などを含むといえる。これは公正、公平、公開、参加などの普遍的な価値を基盤にしており、ポリティカル・コレクトネスを基盤としているといえるが、一方では、文化相対的な概念であるために、本研究では、ある行為の選択を単独で正しいか正しくないかを判断することは不可能であるとの立場をとる。すなわち、行為が生起している状況・文脈・文化とともに判断されなければならない。実践学としてのペダゴジーは、授業実践を対象とした科学である(科学)と同時に、文化相対的な技術学(文化)および倫理学を融合している(人格)。このような成果を踏まえて、新たに発見した今後の研究については、このような視野からペダゴジーを捉え直しながら、比較授業分析を通してプロフェッショナル・コレクトネスを明らかにしていくことが課題となる。また、現場教師(若手教師・熟練教師)と研究者(教科内容専門・教育方法学者・教育哲学者)の授業実践の分析視点や評価基準を分析対象としてメタ分析・再解釈を行ったが、今後の研究課題として、異なる授業実践を増やして、こうした整理が合理的であったかどうか、構造的な比較研究のアプローチを採用し、自らのペダゴジカル・コレクトネスとプロフェッショナル・コレクトネスを明らかにしたい。
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Research Products
(6 results)