2016 Fiscal Year Annual Research Report
Towards the construction of adult basic education studies against disparity and poverty, a networking of cross-subjects collaboration.
Project/Area Number |
15K13191
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
岩本 陽児 和光大学, 現代人間学部, 教授 (10350357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
添田 祥史 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80531087)
石井山 竜平 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30304702)
新矢 麻紀子 大阪産業大学, 教養部, 教授 (70389203)
湯澤 直美 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (00277659)
藤田 美佳 奈良教育大学, 教育学部, 特任准教授 (90449364)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 基礎教育保障 / 夜間中学 / 夜間中学拡充運動 / 学びなおし / 義務教育未修了者 / 領域横断 / ネットワーク / 自主夜間中学 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代日本の格差・貧困に抗する成人基礎教育学を創設すべく、領域横断的な協働探求ネットワークを構築することを目的に、実践的な本研究に着手した。実践と研究の対話を通じて、重要な達成をなしとげた。 2年目となった2016年には、前年度の第2~6回の設立準備会を受けて、第7回設立準備会を5月に北海道大学で、第8回設立準備会を7月に東京で開催し、夜間中学の実践者と、社会教育、日本語教育、国内外の識字、福祉、貧困、労働問題等の研究者を集めて議論を深めてきた。その結果、当初の「成人基礎教育学」でなく「基礎教育保障」の語がより適切との合意に到った。 8月21日に、全国各地から150余名の参加を得て「基礎教育保障学会」設立大会を開いた。これは、設立総会と第1回研究大会とで構成され、会場は立川市の国立国語教育研究所である。基調講演は①岡山大学教授(元ユネスコ、ダッカ事務所)大安喜一氏の「アジアにおける基礎教育の完全普及に向けて」、②えんぴつの会(元夜間中学校教諭)見城慶和氏の「夜間中学の生活基本漢字381文字」であった。これらに先立ち、文部科学事務次官(当時)前川喜平氏自身の来臨と、熱意溢れるスピーチを得たことを特記したい。もうひとりの来賓は、全国夜間中学研究会の代表であった。社会教育、日本語教育、識字、公立夜間中学、自主夜間中学、子どもの貧困対策、生活困窮者支援、障がい児の教育保障の立場を代表する8名のリレートークでプログラムを締めくくった。 この実践的な研究を通じて、国・地方行政レベルでの政策提言に取り組むベースも形成することが出来た。12月に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(法律第105号)第7条、文部科学大臣が策定する「教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」に関する提言を文科省に提出したことは、その一例である。
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Remarks |
基礎教育保障学会のホームページ。
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Research Products
(14 results)