2016 Fiscal Year Research-status Report
ASEANにおける域内イスラーム留学ネットワーク形成に関する実証的研究
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15K13201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
S Kampeeraparb 名古屋大学, 国際開発研究科, 講師 (90362219)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タイ:マレーシア:インドネシア / ムスリム / 留学交流 / 私立イスラーム教学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、タイ人ムスリム留学生を対象に、近隣イスラーム圏であり文化的共通性も高いマレーシア留学の実態について、送り出し国と受入れ国の相互関係を踏まえて実証的に明らかにし、マレー・イスラーム文化圏を軸とした新たな留学ネットワークの構造的解明をはかることにあった。本研究が目指す東南アジアの〔域内イスラーム文化圏における留学現象の構造的解明〕は、単に研究の未開拓領域を埋めるのみならず、従来の〔途上から先進文化圏へと向かう従属論的留学モデル〕とは異なり、ASEAN 地域統合やグローバル化の進展により文化・人的交流の機会が飛躍的に増大する中、域内において留学現象がいかなる自律性のもとに発展しうるのかについて新たな理論的視座を提供しうる点で革新的であるといえる。 第2年次にあたる平成28年度の研究実施計画は、タイ人ムスリム留学生の主要受入れ国であるマレーシアを主たる調査フィールドとし、①タイ人ムスリムを対象とした留学交流制度・支援体制の把握、②送り出し国と受入れ国の相互関係の解明、することであった。 実際に、送り出し国であるタイにおいて現地調査を実施し、関連施策、支援体制の分析解明を行い、さらに主たるタイ人ムスリム留学生の送り出し母体であり、タイ南部にある私立イスラーム教学校を複数訪問し、調査インタビューを実施した。さらに調査の過程で浮き上がったインドネシアへの留学現象を解明すべく、インドネシアにおいても現地調査を行い、ムハマディヤ財団やその財団が運営している大学を訪問し、在学中のタイ人ムスリム留学生に対し、インタビューを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイ南部の現地調査を行うために研究協力者の積極的な協力を得て、私立イスラーム教学校に対する調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
タイおよびインドネシアでの現地調査によって得られた第一次資料やインタビュー内容を分析して、次年度の調査や研究結果の分析に活かす予定である。
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