2017 Fiscal Year Annual Research Report
Education Matters in the 21st Century: Imagined Future and Starategy of Education
Project/Area Number |
15K13214
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Research Institution | Okazaki Women's University |
Principal Investigator |
白石 さや 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 教授 (70288679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育人類学 / デジタル世代 / グローバル化 / 教育戦略 / シリコンバレー / STEAM / プレスクール教育 / サンフランシスコ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「ICT革命の最先端にあって新しい世界の想像に寄与してきたデジタル世代が、今や親となり、子どもの巨い国関心を持ち始めた。ICTの持つ可能性とその課題とを誰よりも熟知する彼らの未来社会イメージと子どもの教育戦略はどういうものだろうか」という問いに対する実態調査である。 初年度は、文献調査と、米国西海岸の主要なICT産業地域(シアトル、サンフランシスコ、サンディエゴ、ロサンジェルス)において、同産業に従事する家庭を訪れて、家族インタビューを行った。現地調査の成果として、まず、国籍を越えた多彩な結婚と家庭生活の姿、経済力を持ち自分の生き方に自信を持つ人々の多様な価値観、さらに企業においても自宅勤務制度を含め、多様な勤務形態が自在に展開されている実情を学んだ。 2年目および3年目には、当初の調査企画に依る欧州やアジア地域のICT産業地域への調査の拡大ではなく、むしろ子どもの教育戦略調査としての対象をもっと絞り、サンフランシスコ・シリコンバレー周辺でプレスクール教育プログラムを担う幼稚園や保育園を訪問調査した。表面的な調査では探索できない興味深い変化の潮流を察知したからである。 その成果として、現在のICT産業の主要なヒーローである人々(Facebookのマーク・ザッカ―バーグ氏等)が大学在学中にすでに起業し、中には卒業していない事例も少なくなく、従来のような、どの大学に進学するのかという教育戦略では間に合わないという認識の一般的な定着がみられ、「the Right Start」としての3~5歳児教育に関心が集中していることが分った。その結果、幼稚園や保育園間でのさまざまな相違点が強調され、富裕層家庭の子どもの通う幼稚園では、年間4万ドルという会いアイビーリーグ大学並みの高額の教育費が動いている実態がわかった。また文化的アイデンティティ探求の動きが目覚ましい。
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