2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of teaching materials and approach of moral education collaborating with local community and taking a perspective on career development
Project/Area Number |
15K13225
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中村 美智太郎 静岡大学, 教育学部, 准教授 (20725189)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | キャリア教育 / 道徳教育 / 内容項目 / 道徳意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度から最終年度に至るまで,「道徳教育とキャリア教育との一体化」を目指して現状調査の研究を国内外で進め,また初年度に作成した教材草稿版を教材試行版にまで練磨してきた。最終年度は,国外,特にドイツの学校における先行事例の調査や国内での事例調査に基づいて,グローバルな視点から研究を進め,児童・生徒ひとりひとりの要求・特徴・能力に応じたケアとしての「キャリア教育の視点から実施される道徳教育」という理念の彫琢及び教育実践のための教材完成版の作成を実現した。この教材完成版を活用して,子どものキャリア形成に大きな影響を及ぼす地域住民と,道徳教育・キャリア教育を専門とする大学教員・大学院生との双方が関わり合いながら,「道徳教育とキャリア教育の一体化」を包含する実践とその分析を行った。この分析結果や作成した教材については,国際的な視点を含む評価を受けるための検討会を通じて,その成果の確認を行った。 以上を通じて,本研究における最終年度の成果としては,次の2点にあると言える。ひとつは,実施前の「道徳の教科化」を見越して,道徳教育とキャリア教育を接合するという観点から,キャリア発達の視点を備え,かつ地域社会と連携し得る道徳教育の実現へのアプローチの開発を実現することができたことである。もうひとつは,その具体的な成果物として,実践を交えながら,児童・生徒の道徳的涵養を児童・生徒のキャリア教育の側面から進め,かつ教員自身と学校全体の質の「高度化」を実現する可能性を持つキャリア教育と道徳教育とを接合する教材を開発したことである。このようなアプローチと教材双方の開発により,教員研修と児童・生徒指導の両面から,教員・学校・地域社会の連携に基づいた包括的な教育の実現可能性を高め,児童・生徒が主体的に自らの将来への視野を拡げて充実した豊かな生を営み続けることに寄与する萌芽を開拓した。
|