2015 Fiscal Year Research-status Report
技術に関わる意思決定能力の育成を指向したゲーミングによる指導方法の開発と評価
Project/Area Number |
15K13229
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷田 親彦 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20374811)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 中学校技術科 / 意思決定能力 / ゲーミング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,技術科の学習を対象に,技術に関わる意思決定場面を検定済み教科書から特定し,中学校教員が意識する学習場面の必要性と,授業での設定の難易度を調査・分析し,学習指導方法の開発・検討などに対する示唆を得ることを目的とした。 技術に関わる意思決定場面を,「技術的な課題に対し,複数の選択肢を社会的,環境的及び経済的側面などから比較・検討し,最適な技術を選択することが求められる場面」とした。その結果,技術に関わる意思決定場面として,「A材料と加工に関する技術」から11場面,「Bエネルギー変換に関する技術」から7場面,「C生物育成に関する技術」から6場面,「D情報に関する技術」から6場面,の計30の意思決定場面を特定することができた。 特定した30の意思決定場面を質問項目とした調査票を作成し,調査を行った。調査対象者は,中学校で技術科を指導する教員である。全国学校総覧より,全国の国・公・私立中学校から500校を無作為に抽出し,平成27年10月に調査用紙を郵送した。その結果,205校の技術科を担当する教員から返信を得ることができ,有効回答は181名(有効回答率は88.3%)であった。 分析の結果,以下の示唆が得られた。1)必要性が低く設定の難易度が高いと考えられている学習場面に対し,設定の難易度を下げることにつながる指導方法等が開発されれば,必要性の認識につながることが期待できる。2)新しい技術で動く自動車やコンピュータの不正侵入対策に関する学習場面のように,社会の変化によって急速に必要性の高まった学習場面は,設定の難易度が高いと教員は感じている。3)「エネルギー変換に関する技術の適切な評価・活用について考えること」について指導する学習場面は,必要性が高いがそれを授業で設定することは難易度が高く,専門性が必要になる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の予定にあった,技術科教員への意思決定場面に関する調査・分析がおおむね終了しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の調査結果を踏まえ,意思決定場面の特徴を把握して,ゲーミング手法を援用した指導方法の開発・検討を行う。平成29年度の実践と評価を目指した授業と評価の計画を立てる。
|
Causes of Carryover |
資料収集などの旅費について単独で使用することができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表,資料収集,授業計画の旅費として未使用額を充てることにする。
|