2015 Fiscal Year Research-status Report
食に関する指導内容の体系的整理:実践実態に即した系統性についての探索的研究
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15K13236
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
細田 耕平 新潟県立大学, 人間生活学部, 助手 (60734803)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食に関する指導 / 小学校 / 中学校 / 指導案分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、全国の小・中学校において取り組まれている食育関連学習指導案を分類・分析し、指導が行われている主要な教科・単元および内容、評価方法について体系的に整理することで、実施実態に即した系統性のモデルを示すことにある。 平成27年度の研究では、その導入段階として学習指導要領解説における食育関連事項を整理することを目的に、食育関連学習指導案および指導事例より実施学年・教科を抽出し、学習指導要領解説の指導内容との照合・整理を行った。学習指導案および実践事例には教育課程における位置づけなどが記載されていることが多く、それらを抽出・整理することで得られる成果は、質問紙調査では把握しきれない食育と学習指導要領との関連性を詳細に記述したデータとして、児童生徒の発達段階を踏まえた体系的な整理を行ううえで基礎的資料になると考える。 具体的には、インターネット検索サイト(google)を使用し、学習指導案および指導事例を収集した。収集した資料から指導が行われている学年・教科を抽出後、指導の実施数の多かった教科・領域について学習指導要領解説における記載を確認し、指導内容から食育に関連付けられる箇所を抽出・整理した。その結果、食育関連授業を行う際には、学習指導要領解説に明記のあるものとないものがあることが改めて確認され、それぞれの教科・領域ごとの特性に応じて、食育を取り入れるための方策を検討する必要が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定より学習指導案の収集方法の変更を余儀なくされ、それに伴い収集数が目標数の約3分の1程度になったものの、ほぼ全国の学習指導案・指導事例を収集することができ、平成27年度の研究目標である学習指導要領における食育関連項目の抽出・整理を行うことができた。 当初は、都道府県教育委員会を通じて指導案提供を依頼する予定であったが、研究協力打診の段階で指導案を用いた実態把握調査の前例がなく、成果についての見通しが乏しかったことから、快諾を得ることが難しいと予想された。そこで、指導案の収集を「指導案回収数が目標数に届かない場合」を想定した方法に準じて、インターネット検索サイト(google 等)を利用して行った。 以上のような経緯から、平成28年度以降の研究協力依頼についても提供資料の内容を検討しているところであるが、これまでの研究成果を提示することが出来るようになったことで、快諾を得られる可能性は当初よりも向上したと思われる。そのため、今後の研究計画の大幅な見直しは現時点で必要ないと考えているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を活用しつつ、指導が行われている主要な教科・単元および内容、評価方法について体系的に整理することで、実施実態に即した系統性のモデルを示すためには、今後「指導の連続性の検討」および「指導モデルの実現可能性の検討」に取り組む必要がある。そこで、申請者は今後の研究計画について、当初の計画より以下の点を変更することを検討している。 1)調査方法を今年度同様に質的研究にすること 当初は平成28年度の研究として、質問紙調査を予定していたが、内容が非常に煩雑になることが予想されるため、食に関する指導の全体計画・年間指導計画を分析することにより、指導の連続性を検討するよう変更を予定している。 2)調査対象の規模を実現可能性の高い範囲に狭めること 当初全国調査を予定していたが、現在の研究段階では、全国の教育委員会に依頼し、快諾を得るのは困難である。そこで、平成28年度の調査に関しては、栄養教諭配置数の上位数県に特化して依頼し、そこで快諾が得られなければ日本教職員組織などの学校栄養士・栄養教諭からなる組織に協力を依頼する方針である。
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Causes of Carryover |
関連書籍を大学生協にて購入したため、値引きが発生した事による。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度も消耗品(印刷用紙、ファイルなど)を購入予定のため、そのための資金に充てるよう計画している。
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Research Products
(1 results)