2015 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある児童生徒への健康相談における合理的配慮
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15K13243
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
古川 恵美 畿央大学, 教育学部, 准教授 (20636732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 啓子 畿央大学, 教育学部, 教授 (10382300)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 健康相談 / 合理的配慮 / 養護教諭 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「発達障害のある児童生徒への健康相談における合理的配慮」についての具体的な提案を行うことを目的としている。学校における合理的配慮とは、対象となる子ども一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて決定され一律の基準があるものではない。健康相談における合理的配慮についても一律の判断基準はない。今回の研究では、以下のように健康相談についての事例を収集・分析し、合理的配慮の観点を踏まえた健康相談における支援について具体的な提案を行うことを目的としている。 1.発達障害のある児童生徒を対象とした健康相談に関する資料収集と文献検討(文献の検討、既往の研究より支援内容を合理的配慮の視点から抽出する):発達障害のある児童生徒を対象に養護教諭が行う健康相談に関する文献(査読付き)は、研究代表者が共同研究した「広汎性発達障害を持つ子どもの心身の健康問題への対処方法についての検討~本人及びその保護者からのインタビュー調査より~」(鎌塚優子・古川恵美2013)以降に見当たらず、さらに対象を広げて資料収集する必要がある。さらに発達障害のある子どもへの支援の実状や、多職種による連携等、様々な視点での子どもの捉え方や支援方法について情報収集を行う必要がある。 2.発達障害のある児童生徒を対象とした健康相談の実際の把握(養護教諭に対する面接調査):発達障害のある児童生徒に対して直接的なかかわりをもっている小学校、中学校に勤務する養護教諭10人の協力が得られ、今年度内に面接調査を行う予定である。 3.発達障害のある子どもをもつ保護者を対象に合理的配慮に関する質問紙調査を実施し、現在整理中である。さらに今年度は、保護者への面接調査も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.発達障害のある児童生徒を対象とした健康相談に関する資料収集と文献検討(文献の検討、既往の研究より支援内容を合理的配慮の視点から抽出する):発達障害のある児童生徒を対象に養護教諭が行う健康相談に関する文献(査読付き)は、研究代表者が共同研究した「広汎性発達障害を持つ子どもの心身の健康問題への対処方法についての検討~本人及びその保護者からのインタビュー調査より(鎌塚優子・古川恵美2013)以降に見当たらず、対象を広げて資料収集する必要がある。研究分担者の岡本は国際学会(School Nurses International Conference 2015)で、イギリスおよび参加国のスクールナースからみた日本の養護教諭の職務の捉え方を知り、子どもに実践する健康相談の活動について新たな視点で整理中である。さらに発達障害のある子どもへの支援の実状や、多職種による連携等、様々な視点での子どもの捉え方や支援方法について情報収集を行う必要がある。 2.発達障害のある児童生徒を対象とした健康相談の実際の把握(養護教諭に対する面接調査):発達障害のある児童生徒に対して直接的なかかわりをもっている小学校、中学校に勤務する養護教諭のうち、協力の得られた方を対象に面接調査を行う予定であったが実施が遅れている。その理由は、調査内容が、調査1で得られた知見をもとに、発達障害のある児童生徒に健康相談としてかかわる中で、養護教諭自身が過度な負担であると感じる支援、負担ではないと感じている支援内容についてであったからである。そこで、昨年度は発達障害のある子どもをもつ保護者を対象に合理的配慮にかんする質問紙調査を実施し、現在整理中である。この結果をもとに、今年度は養護教諭に対する面接調査を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.発達障害のある児童生徒を対象とした健康相談に関する資料収集と文献検討(文献の検討、既往の研究より支援内容を合理的配慮の視点から抽出する):発達障害のある児童生徒を対象に養護教諭が行う健康相談に関する文献を査読付きのものだけでなく、学会発表や教育委員会資料等にも広げ情報収集していく。 2.発達障害のある児童生徒を対象とした健康相談の実際の把握(養護教諭に対する面接調査):発達障害のある児童生徒に対して直接的なかかわりをもっている小学校、中学校に勤務する養護教諭10人の協力が得られ、今年度内に面接調査を行う予定である。 3.発達障害のある子どもをもつ保護者20人の協力が得られ、今年度は、保護者への面接調査も行う予定である。 4.保健室でのエスのグラフィー調査について、小学校長から許可が得られている。
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Causes of Carryover |
面接調査及びフィールド調査研究の予定が遅れたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
面接調査及びフィールド調査を実施する。昨年度購入しなかったパソコン及びソフトも購入予定。
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