2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of screening test of writing ability in junior student of elementary school
Project/Area Number |
15K13249
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
片桐 正敏 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00549503)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 書字能力 / スクリーニング検査 / 学力 / 不器用 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまでのデータの集計作業およびデータの分析を行なった。人数が1000人単位であるため、データの入力、集計に時間を要したため、過去2年分のデータを中心に解析を行った。 本研究では、1年生および2年生を対象にひらがな、漢字、模写、なぞり課題のほか、多層指導モデルMIM「読みのアセスメント・指導パッケージ」の読み課題(以下、各課題と表記)を実施した。検査の妥当性を検討するために、協調運動の質問紙であるDCDQ、学力検査(国語と算数)、集団知能検査の結果を用いて、分析を行った。 記述統計の結果では、度数分布はやや書き課題において偏りが見られたものの、おおむね正規分布に近い分布を示し、よみ課題についてはほぼ偏りのない分布が示された。成績は、男性よりも女性の成績が高い結果となった。スクリーニング検査の妥当性については、DCDQ、学力検査、集団知能検査の結果を検討した結果、相関は微細運動と各課題との間に有意な正の相関が認められ、微細運動が高ければ課題成績が良いことが示された。学業成績は国語・算数の両方に相関が認められ、特に読み課題については、読み能力が高い児童ほど学業成績が良いことが示された。IQでは、読みとの相関が一番高く、書字、なぞり書きと続いて高い傾向が示された。重回帰分析の結果では、何れの課題においてもIQと微細運動が有意であった。階層的重回帰分析を行なったところ、各課題を変数として投入することで説明率が上昇したことから、本課題はIQやDCDQとは独立に学業成績を予測すると考えられる。 本研究の結果から、本研究で用いた各課題は一定の妥当性があることが示された。さらに本研究の結果から、書字・読みのつまずきは学業不振の原因になりうることを示したデータであり、スクリーニング検査として臨床的有用性が高い検査であることが示唆された。
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