2015 Fiscal Year Research-status Report
配慮を要する学生を対象とした大学内就労移行支援システム創出の試み
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15K13255
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
鬼塚 淳子 九州産業大学, 基礎教育センター, 特任講師 (90585613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉知 延章 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (10364697)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 障害学生就労支援 / 就労移行支援 / 学内就労体験 / プレキャリアサポート / キャリアトライアル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年急増する配慮(大学不適応、身体・精神・発達障害等)を要する学生への卒業期支援として、卒後就労への橋渡しを担う就労移行支援施設と同等のシステムを学内に創出し、正規就労につなぐ移行の道筋と実体験の場を在学中に学内で提供することにより、特に就労が困難な精神障害や発達障害学生の就労促進を教育的支援の視点から支援するシステム構築を目的としてスタートした。 H27年度研究計画のフレームは、STEP1:就労体験先確保、ネットワーク構築、STEP2:キャリアクラス設置、社会性演習開講 STEP3:就労体験プログラム実施の3段階を予定。本研究がヒトを対象とした研究に該当することから、学内の倫理委員会での承認を受ける必要があったため、実施許可がおりた平成27年9月中旬以降に研究を開始した。 H27年度後期に実施した活動は以下の通りである。1、参加学生のピックアップ、学生・保護者に面接及びインフォームドコンセント 2、キャリア(プレワーク)クラス設置(初年度登録8名) 3、社会性演習開講(毎週月曜日3~4時限に実施) 4、就労体験先確保(計3ヶ所 学内提携企業2社:食堂運営会社、施設設備管理会社、学内部所:図書館) 5、ネットワーク構築(キャリア支援センター事務部長、課長、障害学生担当主任とのミーティング、学外就労移行支援施設3ヶ所との連携) 6、就労支援プログラム実施(上記学外就労移行支援施設からの出張講座1回、就労移行支援施設訪問3回、合同企業説明会参加1回) 7、学内特別支援インターンシップ実施(参加学生延べ計7名)、受入先担当者とのフィードバックミーティング 8、全体活動に関する振り返り、学生の個別面談(週1回)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開始が大幅に遅れたため、初年度の計画内容(上記1~8)はやや遅れて進行している。初年度プレワーククラス登録者7名(4年次生6名、3年次生1名)のうち、3名は就労移行支援施設に登録・通所、3名はキャリアトライアルクラス(既卒生のキャリア支援クラス)へ進み継続、1名は3年次生であったため4年次に進級し継続となった。一通りのプログラム計画は実施したが、反省点として、①研究代表者と学修支援コーディネーターという少数体制では限界があること、②すべてが小規模であったため次年度はもう少し幅広く学生を集めたい。 キャリア支援センターとの連携に関しては、事務担当者・障害学生担当者とも初めてのミーティングで配慮を要する学生対応の件で実務のお話を聴くことができたこと、キャリア支援センターの月曜日に学修支援コーディネーターがいることなど、ようやく認知されてきている。 ただ、実務レベルでの連携稼動には時間を擁すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の課題として、①参加者の増員(15名程度)、②プレワーク&キャリアトライアルプログラムの充実、学外プログラムの導入、③キャリア支援センター教職員向けの障害学生就労支援に関するFDの開催と理解の浸透、④学外就労移行支援施設・就労支援センターと大学キャリア支援センターの直接のネットワーク形成を行い、最終的に、⑤キャリア支援センター内へのキャリア支援コーディネーターの常勤化、及び大学内の障害学生就労支援体制の構築を目指す。今後遂行する上では、外部の移行支援機関の力を借りて関西圏では多くの私立大学が実施している外部機関と大学の直接契約による移行支援プログラムの出張講座などを通して、キャリア支援センター所長・部長への障害学生支援の重要性のレクチャーを行い、大学全体の課題として認識していただくという課題がある。
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Causes of Carryover |
インターンシップでの就労体験に関して当初は学生への賃金の支払を検討し執行予定にいれていたが、就労体験の意味をふまえ、科研費から執行しないこととしたこと、また倫理委員会からの実施許可後のスタートとなったことにより研究の期間がずれ、就労移行支援施設との契約費・出張費、学会発表などの旅費や参加費が次年度にずれこんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
就労移行支援施設との契約費・出張費、学会発表のための旅費・参加費、等に使用する。
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