2016 Fiscal Year Annual Research Report
Nucleic acid-encapsulated virus-like polyhedral structure made by goldnanoplates
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15K13261
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新倉 謙一 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己組織化 / ナノ粒子 / アニオン性高分子 / ナノ粒子集合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はアニオン性高分子と金ナノ粒子の相互作用を使って、多面体構造の形成を目指すことにある。本研究を進める中でオリゴエチレングリコール(OEG)で被覆した直径10nm の金ナノ粒子が、水中においてポリアクリル酸(PAA)と酸性条件下で複合体を作ることを見いだした。本来は、カチオン性粒子と、負に帯電したアニオン性の高分子を混合することで複合体をつくることを計画していたが、偶然見いだしたOEGという中性粒子を使った高分子-金ナノ粒子複合体形成の研究を進めた。水溶液のpHを酸性あるいは塩基性にすることで、複合体の形成と解離は可逆的に起こった。PAAの分子量が15万Daと8万Daの場合を比較すると、8万DaのPAAを使うとより大きな複合体が形成されることがわかった。高分子が粒子を覆ってしまうのか、あるいは粒子間を架橋を促進するかといった違いが現れたと考えられる。また複合体形成の駆動力は水素結合であることが予想され、局所環境の影響を受けやすいことから、PAAやOEGに疎水的なメチル基を導入することで複合体形成時のpHを可変させることができた。 当初の計画では高分子を内包したナノ粒子のカプセル状の集合体形成を予想したが、SEM像からそのような構造というよりむしろ、高分子と粒子が均一に集合した複合体であることがわかった。 本研究ではpHという外部刺激によって高分子と金ナノ粒子の複合体を作製することに成功し、複合体の大きさや粒子間距離を高分子の分子量や濃度で制御できた。今までの多くの研究は粒子表面に直接固定化した分子の外部刺激による構造変化で粒子集合体形成が促進されるが、本研究では外部刺激と外部高分子の組み合わせによって粒子と高分子の複合体を誘起できるため複合体サイズ・粒子間距離を制御するのに適した系であることを示すことができた。
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