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2015 Fiscal Year Research-status Report

強磁性薄膜中におけるスカーミオン観測の研究

Research Project

Project/Area Number 15K13272
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

山田 啓介  岐阜大学, 工学部, 助教 (50721792)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsスカーミオン / 強磁性体薄膜
Outline of Annual Research Achievements

初年度の研究計画は、作製した強磁性体薄膜を微細加工し、その強磁性体薄膜に存在するスカーミオンの観測を行うことであった。
初年度の研究成果は、強磁性体薄膜を用いてスカーミオンの観察を試みたが、磁気バブル型の磁区は観察できたものの、スカーミオンと特定することはできなかった。具体的な研究内容は、強磁性体薄膜として垂直磁気異方性を有する強磁性薄膜であるCo/Ni多層膜から構成される多層膜を用いた。強磁性体薄膜を微細加工により幅・長さは数マイクロ・数十マイクロメートルの細線状に加工した。細線中央にSiO2でキャップをし、細線部分に直径300~1200 nmの円形の穴を空け、垂直方向から電流を流せるように電極(生成電極:Au=80 nm)を付けた。生成電極部にパルス電流(10 V, tp = 50 ns)を流すことで発生するエルステッド磁場(回転磁場)を利用し、スカーミオンを細線部で生成することを試みた。スカーミオン観察の方法は、生成電極部で生成されたスカーミオンを移動電極から印加した電流によりキャップが無い細線部まで動かし、その磁化構造を磁気光学カー効果顕微鏡により観察する方法で行った。実験はすべて室温で行った。その結果、生成電極からのスカーミオン生成を観察することができなかった。この方法の問題は、生成電極の加工精度が悪いことが一つの問題である。スカーミオン生成のために使用したパルス電流が試料に上手く印加できていないことが印加されたパルス電流の波形を観測したことにより明らかになった。他の原因は、スカーミオン生成に用いた強磁性体薄膜でスカーミオンが安定に存在することができない可能性がある。スカーミオンが強磁性薄膜で安定して存在する条件を数値シミュレーションにより調査中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

強磁性体薄膜上で、スカーミオンを直接観察することができなかったからである。ただし、今後の研究展開として、今までに用いた強磁性体薄膜の物質を用いて、数値シミュレーションによりスカーミオンが安定して存在する条件を調査している。研究目的の実験的に室温におけるスカーミオンの直接観察という目的には到達しておらず、区分として「やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

今回用いた強磁性体薄膜でスカーミオンを実験的に観察することは、難しいことがわかった。今後の課題としては、研究の実績概要で記したように、強磁性体薄膜の性質(垂直磁気異方性、飽和磁化、ジャロシンスキー・守谷相互作用(DMI)定数)の物質パラメータを変化させ、安定してスカーミオンが薄膜中で存在または生成する条件を調べる必要がある。実験では、物質パラメータを変化させ、膜生成を行うことは時間とコストがかかるため、数値シミュレーションを用いて条件を調べ、その条件の強磁性薄膜を実験で作製するのが今後の研究の方針である。現在、スカーミオン生成に適した条件を探っており、よい物質パラメータ条件を探すことが近々の研究課題である。具体的には、垂直磁気異方性定数とDMI定数を変化させ、スカーミオンが強磁性薄膜で安定して存在する条件を調査する。さらに、磁化の熱安定性条件と比較し、スカーミオンが室温で安定に存在できるかを検証する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Co / Ni多層膜におけるスカーミオン安定性の検討2015

    • Author(s)
      穗積繁,山田啓介,仲谷栄伸
    • Organizer
      第39回・日本磁気学会・学術講演会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      2015-09-08 – 2015-09-11

URL: 

Published: 2017-01-06  

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