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2015 Fiscal Year Research-status Report

ナノ材料化合物フェニレン類の創製研究

Research Project

Project/Area Number 15K13295
Research InstitutionNational Institute of Technology, Toyota College

Principal Investigator

三浦 大和  豊田工業高等専門学校, 一般学科, 教授 (40300587)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsフラーレン / アーキメディン / [2+2+2]環化付加反応 / ナノテクノロジー材料
Outline of Annual Research Achievements

フラーレン(C60)よりも大きな内部空孔を有する、ベンゼン2分子を隣接オルト位で結合させた分子(6韻環+4韻環)を基本構造にもつ球状分子であるアーキメディン(C120)は、表面に共役π電子をまといある程度の大きさをもつゲスト分子も空孔内に取り込むことのできる新規なナノテクノロジー材料として期待できる化合物である。合成手法としては、フラーレン(C60)の合成には熱分解法やレーザーによるワンステップ合成法が報告されていて、現在では更に多くの官能基導入の研究が行われている。しかしながら、アーキメディン(C120)にはその合成報告例すらない。また、その官能基化はナノテクノロジー材料としては必要な機能化を行う上で重要な手法ともなっている。
今回の研究では[2+2+2]環化付加反応を用いて芳香環を構築しながら、このような表面に共役π電子をもつ巨大分子の合成手法を与えるものである。しかもステップワイズに合成を進めるため、予め官能基を導入することが可能となり様々な機能化を容易に行えるようになる利点が発生し、レジンへの結合やドラッグデリバリーといった修飾も容易に行えるようになることが期待される。分子が提供する内部空孔も格段に大きくなるため、複数の分子やイオンあるいは基質と反応剤を取り込み、新たな反応場を供給することも期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

モデル化合物として3種の化合物を設定して合成を続けている。それらの内、2種は既に合成ができている。現在、最もストレインのかかっているモデル化合物の合成を進めている。これは当初の予定より遅れていることになる。また、並行して進めている[2+2+2]環化反応に用いるコバルト触媒であるシクロペンタジエニルジカルボニル錯体の反応条件での安定性に関しては、想定している溶剤の使用温度において安定であることがわかった。さらに、[2+2+2]環化付加反応の収率向上に関しては、光源・反応温度・基質濃度・反応時間の最適化を行うことでジエチニルベンゼンとトリメチルシリルアセチレンとの試行実験で良い収率で行うことができることが判明した。
錯体形成における置換基導入効果は平面性に影響を与え有意義な効果をもたらすことが期待されたが、必ずしも大きな収率向上に寄与しないことが判明した。これは錯体形成時における立体障害が最も大きな原因であると考えられる。現在はシミュレーションソフトウェアを用いて、その効果を見積もることが解析可能か検討をしている。この結果を用いて適切な置換基を選定し導入後、[2+2+2]環化付加反応の検討を行う予定である。
また、平面構造をとることが予想されるモデル分子を合成にも着手し、触媒の錯体形成能力への置換基導入効果の検証を行いターゲット分子への[2+2+2]環化付加反応適応性の検証を行うべく合成を続けている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、前述の遅れている最もストレインのかかっているモデル化合物の合成とともに、合成に着手している平面構造をとることが予想される次ステップで検討を予定するモデル分子環状5-フェニレンの合成を昨年度の判明した実験結果を反映させ合成を試みる予定である。この化合物はターゲット化合物アーキメディン(C120)の前駆体化合物となるもので、良い比較化合物となる。この環状5-フェニレンの構造が複数集まることでアーキメディン(C120)は構成されることになるため、その物性評価を行いターゲット化合物の合成へと進めることとしたい。
また、今回の研究で最も重要な合成プロセス[2+2+2]環化付加反応を適応させるステップとなる。溶媒を始め多くの反応要素を検証し最適化を行う時間のかかる過程となる。最適化可能なファクターはすべて用いて環状前駆体の合成を進めることとしている。
次年度に着手予定のターゲット化合物への合成い向け、これまでの判明事項を検討し合成スキームの最適化を行うとともに原料合成にとりかかることとする。

Causes of Carryover

当初の研究予定よりモデル化合物3つのうちの1つの合成に手間取っており、全体計画に幾分の遅れが発生しため物品費や人件費・謝金に残金が多めに発生し残予算となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

現在、実験計画の遅れを取り戻すため実験助手のトレーニングと並行し雇用プロセスを進めている。また、実験の効率化をはかるため光反応装置といった実験装置の導入を計画中であり、装置の性能を確認中である。よって、前年度助成金の残金と合わせ今年度使用を申請するものである。

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Published: 2017-01-06  

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