2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel multilayering method using liquid interfaces for multilayer devices
Project/Area Number |
15K13305
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
下岡 弘和 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (50253555)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自立膜 / フレキシブル / 液体基板 / 表面張力 / 界面張力 / 積層膜 / ナノ薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、液体の表面での「その場積層」という汎用性の高い新しい積層膜作製法を確立し、そのことにより様々な無機、有機材料系で大面積かつナノスケールの膜厚を有するフレキシブルな積層膜を実現することである。平成28年度は、シード層との積層によるモデル物質ナノ結晶の配向制御の方法の確立のための前段階として、モデル系であるBaTiO3ゲル/ポリ乳酸二層膜が下層液である流動パラフィン上に積層膜を形成する過程について、表面および界面張力の変化から検討した。まず、第一層目の膜であるBaTiO3ゾルの液膜形成過程での液膜の表面張力と液膜と下層液間の界面張力の変化を、ゾル中の含水量をパラメータとして評価した。含水量は、これまでの研究から明らかなようにゾル-ゲル反応によるBaTiO3結晶の生成挙動に大きな影響を及ぼすため、生成する結晶の配向を制御する上でも重要なパラメータである。ゾル中の含水量が増すにつれて、ゾルの表面張力における分散力成分が減少して代わりに極性成分の寄与が増大した。この極性成分の増大により、液膜と非極性の下層液間の界面張力は増大し、ゾルの展開における拡張係数は減少した。但し、ゲル化直前の含水量が多いゾルでも拡張係数は正の値を維持しており、このことから結晶化に有利な含水量の多いゾルを用いても液膜を形成できることがわかった。一旦第一層目の液膜がゲル化して下層液上に固定されれば、より含水量の多いBaTiO3ゲルと流動パラフィン界面ほど第二層目のPLA溶液の展開における拡張係数の値が大きな正の値となり、積層膜を形成することができた。一方、第一層目のBaTiO3ゲル表面へのPLA溶液の滴下においては拡張係数の符号が負となり、PLA溶液の完全濡れによるBaTiO3/PLA積層膜は得られなかった。
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Research Products
(1 results)