2015 Fiscal Year Research-status Report
光路最適化したメタサーフェスを用いた表面増強ラマンデバイスの創製
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15K13317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 悦男 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60644599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米谷 玲皇 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90466780)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表面増強ラマン散乱 / ナノマイクロ光デバイス / プラズモニック構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の目標は、光学シミュレータを用いた光路最適化したメタサーフェスの形状設計であった。研究開始前に検討を進めていたリング状構造については、既に設計・試作・評価を完了し、論文化した。ラメラ状金薄膜構造を実現するため,傾斜回転ステージを用いたコンフォーマル製膜手法を用いた。雛形の作製方法は、当初計画していたガリウムFIBだけでなく、ヘリウムFIBや高加速電圧の電子線描画なども検討を進めている。さらなる研究活動として、特に、光束誘導を誘導する事に注力し、プラズモニック構造を施した基板平面内の光の振る舞いについて検討した。Micro-TAS(Total Analysis Systems)と呼ばれる生化学分析デバイスの省力化に注目している。Micro-TASは特に細胞やたんぱく質、DNAの分析など生物・医学の分野での使用を目的に多く研究されており、従来の分析方法に比べ、省スペースかつ少量の試料を使って分析を行うことができる。しかし、多くのMicro-TASでは試料の移動にポンプを使用するため、更なる省スペース化は難しい。そのため移動方法の改善が省スペース化のために有効である。対物レンズを通した光照射とプラズモニック構造によって平面内の試料の移動操作を実現することで、ポンプを使用しない流路の作製が可能になり、また、効率的に試料を捕集することで表面増強ラマン散乱分光をより効率的に実現することが可能になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度中に1報の論文を出すことができた。また、新たに得られた結果については順次国際会議等で発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
基板平面内の光束誘導について新たな知見が得られたため、今後、表面増強ラマン分光だけでなく、微粒子操作なども検討の対象としたい。
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