2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K13319
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平山 佳代子 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任研究員 (60710564)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大腸菌 / 形状制御 / MreB / 細胞壁合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マイクロ・ナノ加工技術を利用して、細菌の形状を改変する技術を確立し、生物の機能に対して形状がどのような役割を持つのか明らかにすることである。具体的には、大腸菌の細胞壁を酵素処理によって除去してできるスフェロプラストを、マイクロウェル内に封入することで細胞膜を変形させ、細胞壁合成にかかわるタンパク質の動態を調べることで細菌の形態制御機構を明らかにしたいと考えた。 大腸菌の大きさは1マイクロメートルと小さいため、タンパク質動態の観察には共焦点顕微鏡が必須であったが、共用の共焦点顕微鏡が使用不可となった。そこで、抗生物質セファレキシンを利用して大腸菌を50マイクロメートル程度まで伸長させ、その大腸菌をスフェロプラスト化することで直径3-5マイクロメートルの大型スフェロプラストを得た。大型スフェロプラストは、通常の倒立顕微鏡で観察可能であり、タンパク質の動態も蛍光で観察できることがわかった。また、培地成分を含んだゲル上に配置した大型スフェロプラストの経時変化を24時間観察したところ、球状だったスフェロプラストの細胞膜が、24時間かけて一部へこむように変形していく様子が観察された。今後、培養条件を検討し、通常の桿状細菌に回復する過程を観察する予定である。また、大型スフェロプラストの体積に合わせたマイクロウェルを作製し、これに大型スフェロプラストを封入して細胞壁合成にかかわるタンパク質の動態を観察し、解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用していた共用の共焦点顕微鏡が使用不可能になったことや、他の業務が多忙となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
大型スフェロプラストを作製すれば、MreBの挙動観察が通常の倒立顕微鏡でも可能であることがわかった。そこで、今後は大型スフェロプラストの細胞膜を変形させ、MreBの挙動、及び細胞壁合成を観察する。
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Causes of Carryover |
大腸菌の大きさは1マイクロメートルと小さいため、タンパク質動態の観察には共焦点顕微鏡が必須であったが、共用の共焦点顕微鏡が使用不可となったため、研究方法を変更する必要が生じたことが要因として大きい。また、他の業務が多忙であったため、研究計画の遂行に遅れが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大型スフェロプラストを経時的に観察するため、倒立顕微鏡にオートフォーカスシステムを導入する(約100万円)。その他、新たなマイクロウェル作製のために使用する設備利用費として使用する計画である。
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