2016 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS plasmonic tunable color sheet by electrostatic actuator using stretchable thin film
Project/Area Number |
15K13322
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 一浩 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90549346)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表面プラズモン / MEMS / 有機デバイス / 可変フィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子薄膜の伸縮を利用した可変カラーフィルタを製作するため、ゴム弾性を有するナノ薄膜としてポリスチレン‐ポリブタジエン‐ポリスチレン(SBS)ナノシートを検討した。ナノシートは基板貫通孔を設けたポリジメチルシロキサン(PDMS)基板に転写し、一軸自動ステージでPDMSごと伸縮させ、薄膜干渉スペクトルを測定した。測定結果より算出したポアソン比は、理想ゴムに相当する0.5であることからゴム弾性特性が実証された。また、弾性ひずみは40%以上が得られ、表面プラズモンの励起波長変調に十分なひずみ領域を持つことを示した。さらに、エラストマーナノシート上へ最小線幅250 nm、周期350 nmのAlサブ波長格子形成に成功した。以上より、高分子ナノ薄膜を用いたプラズモニックカラーシートの製作に成功し、貼り付け型表示素子の実現可能性を示した。 次にプラズモニック構造の周期を拡張するMEMSアクチュエータの駆動特性評価のため、走査型電子顕微鏡中で電圧印加時のアルミサブ波長格子の周期拡張変化を観察した。直流バイアス0 V時の格子周期498 nmから、60 V印加時の707 nmまで209 nmの周期拡張を確認できた。また、静電アクチュエータに駆動電圧を印加した際の表面プラズモンの励起波長シフトの実測値より、励起波長はおよそ520 nmから640 nmまで連続的にシフトすることを示した。さらに、得られた透過スペクトルピークとサブ波長格子の周期変化より、両者は比例関係にあることが示唆された。すなわち、可変プラズモニックカラーフィルタの励起波長シフトは格子変位に起因するものであることが言える。また、周波数応答特性では、実測で10 kHzまでの光学応答を確認できたため、十分な応答速度を有していることが示せた。以上より、電圧制御によりプラズモニックカラーフィルタの可変動作を実現した。
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