2016 Fiscal Year Annual Research Report
Controlling the functionality of thin films prepared on flexible, metal technical substrates
Project/Area Number |
15K13336
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯田 和昌 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90749384)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 鉄系超伝導薄膜 / 歪み / 電子相図 |
Outline of Annual Research Achievements |
低温でも十分な大きさの歪みを印加できるデバイスの作成と同時に,伝導冷却システムの立ち上げも行った。これらの実現により,様々な機能性材料の抵抗の歪み依存性を広い温度範囲で測定することが可能となった。また,2軸配向したMgO中間層付き金属基板上への機能性薄膜の作製として,研究対象物質をBaFe1.92Co0.08As2,Mn3CuN,NbNとした。窒化物薄膜は,申請者の所属する名古屋大学で,鉄系超伝導体BaFe1.92Co0.08As2は共同研究先のKarlsruhe Institute of Technologyへ修士課程学生が研究滞在を行い作製した。いずれの薄膜も,エピタキシャル成長した薄膜であったが,面内X線回折の測定結果から,回折ピークの半値幅はいずれも約5 deg.程度であった。この結果から薄膜の歪みが大幅に緩和している可能性があり,歪みを効果的に印加するのが難しいと考えられた。作製した窒化物薄膜を,小型デバイスに組み込み抵抗の歪み依存性を測定したが,明瞭な変化は観測されなかった。一方,鉄系超伝導体BaFe1.92Co0.08As2は圧縮歪みにより抵抗が上昇しているのが分かった。この結果から,面内圧縮歪みは超伝導を抑制していることが考えられる。一方,伸長歪みによる抵抗の変化はほぼ観測されなかった。次に,MgO,CaF2単結晶基板上へ成膜したBa(Fe1-xCox)2As2薄膜の電子相図の作成を試みた。MgO基板は伸長歪みを,CaF2基板は圧縮歪みを薄膜に印加することがX線回折測定の結果から明らかになった。伸長歪みが印加された場合,単結晶試料と比較して反強磁性転移温度(TN)は低くなり,また超伝導ドームは低Co側へと移動した。一方,圧縮歪みが印加された場合には,TNは高くなり,超伝導ドームは高Co側へと移動した。
|
Research Products
(3 results)
-
-
[Journal Article] Hall-plot of the phase diagram for Ba(Fe1-xCox)2As22016
Author(s)
K. Iida, V. Grinenko, F. Kurth, A. Ichinose, I. Tsukada, E. Ahrens, A. Pulenas, P. Chekhonin, W. Skrotzki, A. Teresa, R. Huehne, S. Aswartham, S. Wurmehl, I. Moench, M. Erbe, J. Haenisch, B. Holzapfel, S-L. Drechsler, D.V. Efremov
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 28390/1-9
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
-