2015 Fiscal Year Research-status Report
農業用ITに資するフレキシブル分光感度センサの開発
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15K13338
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関谷 毅 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80372407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有機トランジスタ / フレキシブルエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
フレキシブル分光センサシステムの試作(27年度) 取り組みの要旨 プラスティックシート上に分光センサシステムの要素技術であるトランジスタ、受光素子、発光素子を印刷技術を用いて実装し、試作を行った。初年度は、有機トランジスタのチャネル長を実績のある50ミクロンで作製し、駆動電圧を60V以下、空間分解能5mmを数値目標に有機半導体材料の選定、構造の最適化を進めてきた。
《LEDアレイ、フォトディテクタアレイの試作と集積化、ノイズフィルタリング技術の検討》 本研究では、印刷技術(インクジェットとスクリーン印刷)とフィルム加工技術を駆使して、LED駆動用の2トランジスタ1キャパシタ構成の有機トランジスタアクティブマトリックスを作製し、塗布型LED発光素子と集積化することでアクティブマトリックスLEDアレイの作製を行ってきた。ピクセル一つあたりの大きさは、5mm角として、この中に、二つの有機薄膜トランジスタと、一つのキャパシタを作製した。当初、60Vまでの駆動電圧を想定したが、ゲート絶縁膜成膜前の表面改質処理技術を開発し、これを持ちいることで高品質かつ薄膜の絶縁膜を作製することができた。具体的には10V以下までの駆動が可能になり、歩留まり高く、LED駆動用のドライバー回路を作製した。LEDの開発においては、比較的大気安定とされるフッ素系高分子発光材料、低分子系発光材料を選定し、フレキシブル受光素子、発光素子の作製を行った。これを有機TFT駆動素子と集積化することで、動作することを確認した。ただし、大気中での駆動時に発光が不安定となることから、封止膜の選定をさらに進めることが必要であり、これを平成28年度に進めていくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的どおり、5mm角に印刷技術を用いて、2トランジスタ1キャパシタ構造のLED制御用回路、受光素子からの読み出し駆動回路を印刷で作製することに成功している。さらに光の波長を選びだし、光学的なノイズを除去するためのバンドパスフィルタを作成予定であったが、これは取得したデータの信号処理によりノイズ除去できることを見出した。そのため、結果的にはバンドパスフィルタを作製することなく、当初の目的を達することができたので、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、有機発光素子、および受光素子を大気環境下で連続駆動した際に、動作の不安定性が見られた。これは素子に含まれているn型有機半導体の酸化による影響と考えらる。今後、企業の協力(薄膜ガラスメーカー)を得て、フレキシブル封止膜を導入し、これを早期に克服する。実際に、すでに材料を入手しており、これを集積化する取り組みを行っている。この封止膜による大気中での安定動作を確認したのちは、当初目標である「フレキシブル分光センサシステムの有用性の実証」を行う。具体的には《葉表面における近赤外波長域での分光分析》および《分光センサを集積化した土壌内ミネラル成分の計測》など、農業分野で必要とされる計測に資するデバイスの最適化、長寿命化、そしてその実証試験へと進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の計画より研究が順調に進み、必要と思われていた消耗品の購入がなくなった為
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品に使用予定
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Research Products
(1 results)