2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13351
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柿本 浩一 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (90291509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 智 九州大学, 応用力学研究所, 技術専門職員 (80423557)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | SiC / GaN / Al2O3 / 転位 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、過去40年以上にわたって解決できなかった高精度結晶欠陥制御、特にデバイス特性に影響を与える転位密度の低減と制御を、転位増殖の実験結果に基づいた3次元非定常転位分布数値解析法の開発と結晶成長炉内熱流束精密制御により、極低転位密度結晶成長が可能な新規結晶成長法の提案と実証を行った。同時に結晶成長実験により、数値解析により予測した転位密度を定量的に議論することが可能となり、いかなる結晶成長条件、冷却条件が転位密度の低減に資するかを明らかにし、極低転位密度結晶成長を提案した。すなわち、SiC、GaN、そしてAl2O3単結晶の転位密度を定量的に予測することが可能となった。 結晶欠陥の定量予測が可能となったことにより、従来解析が不可能であった結晶内の3次元転位分布の予測が可能になってきている。これにより、結晶欠陥低減の結晶成長方法及び冷却方法の提案を行った。具体的には、結晶半径方向の温度勾配を低減することが重要であるとの知見を得た。実験に関しては、インデンテーション実験により、112-0方向に転位が走行しやすいことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までに、予定していた転位の定量予測手法の確立に関して、十分達成できた。特に、SiC, GaN,Al2O3のワイドバンドギャップ材料の熱応力に起因する基底面転位の定量解析が世界で初めて可能となった。従来、シリコンに用いられてきたHASモデルがSiC, GaN,Al2O3に適用可能であることが明らかとなった。これにより、このSiC, GaN,Al2O3結晶中における転位密度の3次元分布の定量予測が可能となった。さらに、実験では、インデンテーションにより112-0方向に転位が滑りやすいことを確認した。これにより、本研究で確立した数値解析手法が、実際の転位分布解析に有効であることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究で開発した転位密度解析コードを用いて、実際に育成したSiC, GaN,Al2O3のワイドバンドギャップ結晶の転位密度と定量比較する。すなわち、本研究で開発した熱応力に起因する基底面転位の定量解析手法の有効性を実験結果と定量比較して結晶成長手法や冷却手法の最適化に貢献する。さらに、結晶育成過程や冷却過程の短時間化にむけた解析を行う。また、実験では、X線トポグラフ法を用いてSiC, GaN,Al2O3の結晶の転位密度分布を測定し、数値解析結果と定量比較を行い、本研究で確立した数値解析手法の有効性を証明する。
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Research Products
(6 results)