2017 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of structure-controlled polymer films using a laser
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15K13363
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 隆 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (50281639)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノ複合膜 / 高分子 / ナノ粒子 / その場創成 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究では、高分子(ポリビニルアルコール, PVA)と硝酸銀の混合水溶液をガラス基板上にスピンコートして作成した膜にCO2レーザーを照射することにより、PVAマトリクス内に多数のAgナノ粒子を含むAg-PVAナノ複合膜を簡単にその場創成する手法を開発した。この手法の特長は、極めてマイルドなレーザー照射条件でcmサイズ以上のナノ複合膜を高速創成できる点である。 今年度は、混合水溶液のナノ粒子前駆体濃度やレーザー照射条件を変えることによってナノ複合膜内のAgナノ粒子の粒径や数密度をどの程度制御できるかについて、UV-visスペクトルおよびSEM分析によって調べた。(厳密な意味では、SEMによるナノ複合膜表面ではなくTEMを用いたナノ複合膜内の分析が必要であるが、ここではコストと手間のかかるTEMではなく、SEMを用いることとした。)その結果、照射レーザーパワーが0.5Wの場合には、照射時間を長くしてもある程度の照射時間(1200秒)以降は、UV-visスペクトルに変化が見られなくなり、それに対応してSEM分析から得られたAgナノ粒子の粒径分布も照射時間による変化がなくなるのに対し、照射レーザーパワーが1Wの場合には、照射時間を長くするにつれ、UV-visスペクトルのプラズモン共鳴波長が長波長側へとシフトし、またブロードになる。これはAgナノ粒子の凝集が起こっていることを示唆しているが、実際、SEM像をみてもAgナノ粒子の凝集が起こっていることが確認できる。これはつまり、1Wのレーザーパワーだと熱によって高分子膜が柔らかくなり、生成したAgナノ粒子が膜内移動を起こして凝集したと考えることができる。また、ナノ粒子前駆体濃度を下げると、できるナノ粒子の粒径は小さくなり、凝集も防げることが分かった。
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Research Products
(11 results)