2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13371
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安野 嘉晃 筑波大学, 数理物質系, 講師 (10344871)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光コヒーレンストモグラフィー / OCT / 偏光 / 複屈折 / elastography |
Outline of Annual Research Achievements |
In vivo ヒト皮膚および、切片サンプルを対照とした Jones matrix optical coherence tomography (JM-OCT) 装置の開発を完了した。 本装置は一度の光走査(6.5秒)で対象組織の Jones matrix の三次元分布を計測する。この Jones matrix に適切な演算を作用させることにより、生体(ヒト皮膚)の形態(トモグラフィー)、散乱特性、複屈折トモグラフィー、血流分布、メラニン分布の計測の同時計測が可能となった。特に、複屈折は2017年度に皮膚の機械特性との相関を検討する主要な光学特性であり、これを計測することは今後の研究に必須であった。 上記の Jones matrix 計測は、通常極めて低い信号雑音比をもつ。この問題を解決するため、Bayes 統計にもとづいた複屈折推定手法 (maximum a-posterior birefringence estimator)を開発史、これにより、信頼できる精度での生体複屈折三次元計測が可能となった。 また、本装置を用いたin vitro 豚眼網膜の光学特性を調査し、篩板の複屈折特性を計測した。 さらに、上記装置の改良を開始した。この改良では組織に機械的圧力を加えながらの偏光トモグラフィーの撮影を可能とする。これにより組織の機械特性と偏光特性の関連の検討が可能となる。現在、装置の設計、および仮組みが完了し、データの初期的な解析を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では主に眼科疾患を対象としていた。その後の社会的需要の変化から、皮膚、組織切片一般の計測まで視野いれたプロジェクト拡張を行った。その中で、眼球、in vivo 皮膚の計測に成功しており、この点は当初予定以上に進捗している。 一方、機械特性の直接計測手法は2016年度後半より開発を開始した。現在までに初期的なデータが得られているものの、いまだ最終確定(装置リリース)には至っておらず、多少の進捗の遅れがあると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度Q1を目処に機械特性計測手法の開発を完了する予定である。当初予定では眼科疾患を主な対象としていたが、臨床応用可能性の見直しに伴い、今後は皮膚における機械特性と偏光特性の関連を調査する予定である。これは、本手法が皮膚の腫瘍のマージン決定に有効であるという予測によるものである。
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Causes of Carryover |
雇用予定であった大学院生の雇用が諸事情により延期されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
雇用を次年度に後ろ倒しする予定である。
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Research Products
(4 results)