2015 Fiscal Year Research-status Report
高感度歪みセンシング光コムの開発と光音響イメージングへの応用
Project/Area Number |
15K13384
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美濃島 薫 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (20358112)
山岡 禎久 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80405274)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 応用光学・量子光工学 / 量子エレクトロニクス / 光コム / 歪み計則 / 光音響イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
光と超音波のハイブリッドなイメージング法である光音響イメージングは、分子選択性と生体深部観察を両立させる生体イメージング法として期待されているが、光音響波の検出に用いる電気的音響トランスデューサーの感度と周波数応答により、生体深部における空間分解能が制限され、これが臨床応用のボトルネックとなっていた。本研究では、電気的検出法の制限を本質的に解消する光学的検出法として、高感度かつ高速応答の歪みセンシング光コムを開発し、光音響イメージングに応用する。ここでは、ファイバー光コム共振器そのものをセンサーとして利用し(センシング光コム)、光音響波によるファイバー共振器の微小歪みを高感度かつ高速に周波数(光コム間隔)へ変換し、高精度周波数標準に基づいた超精密周波数計測により、生体深部における空間分解能を大幅に向上することを試みる。 今年度は、センシング光コムの原理確認実験として、センシング光コムのファーバー共振器設計・開発及び歪みセンシングへの応用を行った。ファーバー共振器設計・開発に関しては、安定なモード同期動作および光コム間隔の周波数安定性という観点から検討を行った。その結果、モード同期動作機構として非線形偏波回転を利用し、リング型共振器構成を異常分散のソリトン型とすることにより、センシング光コムとして利用可能な基本特性を得られることを確認した。次に、自作したセンシング光コムを、歪み計測に応用するための研究を行った。リング型ファイバー共振器の一部を歪み計測用センサーとして利用し、機械的歪みを印加した。まず、静的歪みに対する光コム間隔の線形応答性を確認し、μεオーダーの静的歪みの計測が可能であることを確認した。更に、動的歪みの特性評価を行ったところ、200Hzまでの周波数応答を確認した。これらの結果から、センシング光コムが静的及び動的歪みの高精度計測に利用可能であるとの結論を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高感度歪みセンシング用ファイバー光コム共振器の設計・製作・最適化を予定通り実施し良好な結果を得ると共に、次年度実施予定の歪みセンシング光コムに関する原理確認実験も前倒しで行い、既に結果を得ているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、センシング光コムの高周波応答化に関する研究を進める。現在、利用している手法の周波数限界を評価し、その要因を明確化する。MHzオーダーの超音波を検出することが困難な場合には、現在検討中の別手法を検討し、最終的に10MHzオーダーの光音響波を検出することを目指す。
|
Research Products
(3 results)