2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of dust plasma in supercritical fluids
Project/Area Number |
15K13389
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺嶋 和夫 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30176911)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ダストプラズマ / 超臨界流体 / 3次元プラズマ結晶 / 磁性微粒子 / 磁性体ダストプラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度の成果・ノウハウを生かし、0.2~0.7 g/cm3という高圧および超臨界CO2の密度範囲において、密度が0.5 g/cm3程度の中空微粒子(HB-2051, SEKISUI CHEMICAL CO., LTD.)を用い、過去の本グループのMatsubayashiらと同様の方法で微粒子配列実験を行うことで、擬似微小重力環境の効果による重力方向へのプラズマ結晶の形成を試みた。31.8 ℃前後の温度で圧力を変化させ、CO2の密度を変化させながら中空微粒子の配列実験を行った。10 kHz, 4.8 kVppの交流電圧を数分間印加して微粒子を帯電させたのち、周波数を0.155 kHzまで下げて微粒子配列を形成した。高圧気体状態から、液体的超臨界条件に圧力、すなわち、媒体密度を上げるとともに、微粒子は一層に配列し、更にCO2密度を上げていくと、重力方向への配列が見られなくなった。また、微粒子の運動方程式の解析により、微粒子の平衡位置はCO2密度により変化するがCO2粘性によってはほとんど変化しないことが示された。以上の結果より、CO2密度が微粒子密度近傍である条件においては、重力の効果が打ち消され、擬似微小重力環境の効果によって微粒子が重力方向にも配列したと考えられる。なお、配列した微粒子は配列空間内に束縛されているものの、静止せずに振動、浮遊、隣接粒子との交換などの運動をしていた。また磁性微粒子を用いた磁性体ダストプラズマの創製にも成功した。本実験により、高圧および超臨界CO2中での電界放出型表面DBDsにおいて、擬似微小重力環境の効果による重力方向への微粒子配列の形成が確認された。これは地上における等方的なダストプラズマ生成への大きな一歩であり、さらに電極構造の改良などにより電位構造の改善などにより、地上実験での3次元プラズマ結晶創製へのさらなる進展が期待される。
|
Research Products
(1 results)