2016 Fiscal Year Annual Research Report
Observation of electric and magnetic domains by using birefringence imaging system
Project/Area Number |
15K13400
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
三浦 陽子 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20456643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真中 浩貴 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (80359984)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複屈折 / イメージング技術 / 応力誘起複屈折 / 光弾性効果 / 電場誘起複屈折 / ポッケルス効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
強磁性や強誘電性, 強弾性などの性質を複数有する物質系を一般にマルチフェロイクスと呼ぶ。磁場によって電気分極が変化したり, 電場によって磁化の向きが変わる現象は, 基礎物性分野だけでなくデバイス開発の分野でも世界的に研究が行われている。さらに強弾性体については, 応力で強誘電分域だけでなく磁区構造も制御できるのであれば, マルチフェロイクスの3つ目の外力パラメータとして興味深い。 本研究では, 低温下で電場や応力を試料にかけ, 誘起される構造相転移や磁気相転移を観測するだけでなく, その外力の大きさとともに強誘電分域や磁区が変化する様子を可視化できる複屈折イメージング装置を開発することを目標とした。 今年度は主に応力を印加しながら低温で複屈折イメージング測定が可能な試料フォルダを作製した。数mm角の観察視野を確保しながら最大数10MPaの応力を印加し, なおかつ試料とクランプとの良い熱接触が実現するように設計することで, 低温下で測定可能な試料フォルダを開発した。 開発した試料フォルダの性能を評価するため, 立方晶反強磁性体KNiF3の応力下複屈折イメージング測定を行った。室温かつ常圧下では, 位相差は立方晶を反映して極めて小さく, 短軸方位もランダムに配向していることが分かった。その試料に3 MPaの応力を印加すると位相差は大きくなり, 短軸方位は応力方向に垂直方向に揃うことが分かった。この結果は弾性体に応力をかけた場合に現れる応力誘起複屈折現象(光弾性効果)として説明できる。しかしながら応力を印加しながら低温まで測定した結果, 短軸方位が90度反転し, さらにその反転温度で位相差がゼロになる振る舞いが現れた。このような劇的な短軸方位のスィッチングは結晶構造や磁性の相転移とは無関係に起こることがわかり, さらなる研究が必要と思われる。
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