2016 Fiscal Year Annual Research Report
Single-shot X-ray videography with sub-nanometer and femtosecond resolution
Project/Area Number |
15K13403
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 桂一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00737926)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射光 / 超高速イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,新規材料の開発や分子レベルでの生命現象の解明などのため,X線自由電子レーザを用いた研究が盛んに行われている.しかしながら既存のX線自由電子レーザによる観察では,一枚きりの画像しか取得することができないため,動的な現象を解析するのに不十分である. そこで本研究では,連続的な画像の取得を実現する連写撮影システムの開発を行っている.本年度は新しいシステム全体の再設計を行った.システムの全体像は申請者が2014年に発表したSequentially timed all-optical mapping photography(STAMP)のX線に相当するものであったが,現実的にはX線レーザの利用において光学素子の数を小さくする必要がある.そこで,連写撮影のための時間的ディレイを得るTemporal mapping deviceを,一度の反射で空間的に分けられた複数のパルスを得ることができるミラーに置き換えることを考案した.また,それぞれの入射軸から観察対象へとアプローチし,像情報を取得したうえでSTAMP同様に空間的に分けて結像を行うシステムをデザインした. 考案した新しいシステムの原理を確認するために,可視のレーザを用いた実験系を構築した.実験系は光源,空間的に分割且つディレイを得るためのミラー,コンデンサレンズ,観察対象,結像レンズ,像分割のためのミラー,そして撮像素子で構成される.光源からのビームをミラーにて様々な角度へと反射し,コンデンサレンズを通した上で観察対象へと集光し,そのあとのレンズにて結像を行う.それぞれのビームは分割ミラーで再度分けられ,撮像素子の異なる位置にて像が取得される.テストターゲットを用いた実験において,それぞれの角度の異なるビームにて結像されていることが確認された.今後,X線へ応用するための大きな足掛かりとなった.
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