2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K13439
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 結び目 / 空間グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
有限グラフを一つ固定する。便宜上その各辺に向きを一つ与えておく。そのグラフの2つの空間埋め込みを考える。これら2つの空間埋め込みがトータリークロースであるということを次のように定義する。それは任意のタイプの交差交換とその2つの空間埋め込みのうちの任意の1つに対して、その与えられたタイプの交差交換1回で残りの1つの空間埋め込みへ移すことが出来ることとする。ここで任意のタイプの交差交換とは、グラフの任意の2つまたは1つの辺と、正または負の任意の符号に対して、これらから定まるタイプの交差交換のことである。つまりこれら2つの辺または1つの同じ辺における交差交換で、その符号を正から負に、または負から正に変えるような交差交換のことである。有限グラフで孤立頂点も自由頂点も持たないようなものを考える。このとき、そのグラフのある2つの空間埋め込みでトータリークロースであるものが存在するための必要十分条件は、そのグラフが平面的グラフであり、互いに交わらない2つのサイクルを持たないことであることを示した。証明には、平面的グラフであり、互いに交わらない2つのサイクルを持たないようなグラフの特徴付けと、絡み数とサイモン不変量と、グラフの空間埋め込みの像の補空間の含む圧縮不可能曲面に関する議論を用いる。 この問題に関連して、有限グラフの空間埋め込みの全同位類を変えないような交差交換にはどのようなものがあるかについて考察した。この問題は、空間グラフの特定可能射影図に関する予想とも関連がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結果が得られているので、おおむね順調に進展していると云える。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り研究を進める。
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Causes of Carryover |
旅費の使用が予定より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
8月に主催する国際会議の旅費として使用する。
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