2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13442
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河東 泰之 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (90214684)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トポロジカル相 / モジュラーテンソル圏 / 共形場理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
二つのトポロジカル相の間の gapped domain wall の数学的構造について研究した.トポロジカル相はモジュラーテンソル圏で記述されるため,まずモジュラーテンソル圏二つの上のFrobenius代数でしかるべき条件を満たすものとして gapped domain wall の数学的定義を与えた.次に三つのモジュラーテンソル圏の間に二つの Frobenius 代数があるとき,その間の相対テンソル積の概念を与えた.もともと局所的かつ Lagrangean な Frobenius 代数二つから相対テンソル積を作ったときは,既約分解によって局所的かつ Lagrangean なものができることを証明した.この場合はモジュラー不変性が満たされている. 2次元のヘテロティックなフル共形場理論も同じ数学的構造で記述できるため,この場合は二つのヘテロティックなフル共形場理論の相対テンソル積の定義もこれで与えられたことになっている. 三つのモジュラーテンソル圏がすべて同じ場合には,これはモジュラー不変量の間のフュージョンルールを与えることになっている.このようなフュージョンルールについてはこれまでも研究されてきたが,こらまではカイラル共形場のアルファ・インダクションから生じるフル共形場理論の構成を経由して,間接的な定義しか与えられていなかった.今回はこのフュージョンルールのより直接的な定義を与えたことになっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
期待通りに進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに推進しようとしている.
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Causes of Carryover |
旅費の実費が見込みを下回ったため小額の差額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の旅費として使用する予定である.
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