2015 Fiscal Year Research-status Report
非可換調和振動子及びRabi模型のスペクトル曲線の代数的性質
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15K13445
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣島 文生 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (00330358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 格 信州大学, 理学部, 准教授 (50558161)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Rabi model / NcHO / crossing / Spectral zeta function |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的はRabi模型と非可換調和振動子(NcHO)のスペクトル曲線族の交叉点数をそれぞれ決定し、Rabi模型のスペクトルゼータ関数を定義して, 複素平面上に解析接続することであった。 さらにフルビッツ型スペクトルゼータ関数を同様に定義し, その正規化関数の零点とBraakの特殊関数の零点を比較し, 数論的な考察をおこなうことが目的だった。 標語的には(A スペクトル曲線族の交差点数の評価) (B フルビッツ型スペクトルゼータ関数の正規化関数) である。しかし、(A,B)の両課題ともに大きな進展をみることが出来なかった。しかし、それに関連する研究課題では成果を上げることが出来、以下の論文を執筆した。 F. Hiroshima and I. Sasaki, Enhanced binding of an N particle system interacting with a scalar field II, Relativistic version Publ RIMS Kyoto 51 (2015),655-690. F. Hiroshima, Translation invariant models in QFT without ultraviolet cutoffs,arXiv:1506.07514 (2015 preprint). F.Hiroshima, Note on ultraviolet renormalization and ground state energy of the Nelson model,arXiv:1507.05302(2015 preprint). F. Hiroshima, Time operators associated with Schroedinger operators, (2016, preprint). また結果の一部はICMP2015(Chile)のcontributed talkで講演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最低エネルギー状態のスペクトル曲線の解析は経路積分などを応用すれば上手くいくのだが、励起状態エネルギーに関しては、一般論が存在せずスペクトル曲線の交叉点数を評価すすことは容易ではないことが徐々に分かってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
スペクトル曲線の交叉点数の評価より前にファインマン・カッツ公式を使ってスペクトルゼータ関数を解析接続する問題へ移行する。すでに非可換調和振動子というRabi模型の一般化と考えることができる模型で成功しているので、こちらはスムースに行けると予想している。
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