2015 Fiscal Year Research-status Report
近赤外線昼間観測による赤色超巨星の空白期間のない時間変動の調査
Project/Area Number |
15K13465
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永山 貴宏 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (00533275)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 赤外線天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまであまり行われてこなかった、昼間の明るい時間における近赤外線測光観測を実施し、変光星の連続的な光度変化を得ることにある。 平成27年度は、すでに所有している減光率1/5000の減光フィルタを鹿児島大学1m望遠鏡、および、赤外線カメラに取り付けられるようにし、光量を大きく減らした状態にして観測ができるるようにした。また、実際に昼間に明るい星に望遠鏡を向け、星が検出できるかどうかを確認した。その結果、昼間であっても太陽からの離角が大きく、また、十分に明るい星であれば検出できることが確認できた。現在、太陽からの離角がどれだけあれば観測できるかと、限界等級の定量的評価を行っている。 次に標準星を複数個観測し、これらの相対的な明るさを比較することで、測光精度の検証を試みた。現時点では定量的な結果は出ていないが、定性的には夜間に同程度に光量を減らしたときと同様の測光精度が得られそうな感触を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際に昼間に星の観測を行うことができた。また、その明るさを測光することができ、来年度以降、継続的に観測を実施する準備ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実際に昼間に星が観測できることは確認できている。次年度以降は、測光の精度の定量的な検証、限界等級の定量的な評価、および、観測可能範囲の定量的な評価を行う。 次に上記の結果をもとに観測可能な天体のリストアップとそれらの観測を行う。 また、ベテルギウス、アンタレスなどの超新星爆発を起こす可能性がある天体の観測を開始し、年間を通じたモニタリング観測を実施する。
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Causes of Carryover |
昼間観測を実現するためのフィルタを実際に製作する前に、すでに所有していたフィルタでの予備的観測を行った。これにより、フィルタの作成が次年度以降にずれ込んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度の既存フィルタでの結果をもとに、昼間観測により最適化したフィルタの設計・製作に充当する。
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