2016 Fiscal Year Research-status Report
近赤外線昼間観測による赤色超巨星の空白期間のない時間変動の調査
Project/Area Number |
15K13465
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永山 貴宏 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (00533275)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 赤外線天文学 / 明るい天体 / 昼間観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまであまり行われてこなかった、昼間の明るい時間における近赤外線測光観測を実施し、変光星、特に赤色巨星の連続的な光度変化を得ることにある。平成28年度は、平成27年度に近赤外線における昼間観測が実際に可能であること確認したことに引き続き、その測光性能などの定量評価を行った。 その結果、鹿児島大学1m光赤外線望遠鏡での、夏における限界等級は、Kバンド(波長2.2μm)で約3.0等級(90秒積分)、冬においては、同じくKバンドで約4.5等級(120秒積分)であることが分かった。夏と冬での限界等級の差は、気温の差による背景放射量の差によると考えられ、実際、限界等級は外気温が高くなるほど、悪くなる傾向が得られた。 実際に天体観測を行っていくためには、太陽からの離角によって、どの程度、限界等級が変化するかの情報が必要になるため、太陽からの離角を変化させて、観測を行っていたところ、2016年10月に観測に使用していた赤外線カメラが故障し、その後、年度末まで修理することができなかった。そのため、追加データが得られていない。現在は、赤外線カメラの復旧を急いでいる。 なお、2016年9月には、名古屋大学が南アフリカ天文台に所有しているIRSF1.4m望遠鏡、および、近赤外線カメラSIRIUSでも似た手法で昼間近赤外線観測が可能かを試みた。具体的には、1/100減光フィルタを2枚重ねて、減光率を1/10000にした状態で、ηカリーナ、および、標準星の観測を行った。その結果、良好な星像、および測光結果が得られ、私たちの手法が有効であることが独立に確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年夏までは順調に研究が進んだが、2016年10月に天体観測に使用していた赤外線カメラが故障し、現在に至るまで観測が再開できていない。そのため、研究に必要なデータが取得できていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度夏までの観測データから、当初の予定とほぼ同程度の水準の観測データが得られることは分かっている。赤外線カメラの復旧を急ぎ、復旧し次第、晩期型星のモニタリング観測を再開する。また、名古屋大学のIRSF望遠鏡での観測も検討する。
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Causes of Carryover |
年度途中で観測で使用していた赤外線カメラが故障した。修理費用の見通しが立たず、今後、カメラの修理費用を負担する可能性も考慮して、当初予定していた本番用減光フィルタの製作を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の遂行のためには、赤外線カメラの復旧が最優先であり、それに必要な部品の購入や修理費用に充当する。赤外線カメラの復旧後、研究費に余裕があれば、本番用減光フィルタの製作を行う。研究費が不足する場合には、これまでの観測で使用してきた試験用フィルタを継続使用して、研究の遂行に必要なデータの収集を行う。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 鹿児島大学活動報告2016
Author(s)
永山貴宏
Organizer
第 7 回光赤外線天文学大学間連携ワークショップ
Place of Presentation
京都大学理学部2号館(京都府京都市)
Year and Date
2016-11-21 – 2016-11-22