Development of a new high-dispersion spectrometer for unveiling exoplanet atmosphere

2016 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K13468
• Research Institution: National Astronomical Observatory of Japan
• Principal Investigator: 小谷 隆行 国立天文台, 太陽系外惑星探査プロジェクト室, 助教 (40554291)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 太陽系外惑星 / 高分散分光器 / フーリエ分光器

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、太陽系外惑星大気の詳細なキャラクタリゼーションを目指した、高効率かつコンパクトな新しい高分散分光器の実証実験を目指した。従来の回折格子型、あるいはフーリエ分光器では得られない、高い波長分解能と高効率を実現するために、静的な可動部のないフーリエ分光器を用いる。高い波長分解能を得るためには、フーリエ分光では大きな光路長の変化が必要であるが、本研究では、可動部を持たない特殊な階段状のミラーを用いることでこれを実現する。階段ミラー製作に必要なパラメーター検討により、可視光（633nm)で波長分解能最大30000を実現するには、階段の段数30段、階段高さ204um、大きさ約10mmx10mmという最適解を得ることができた。また鏡の基盤素材について検討を行い、ガラス製とアルミ切削鏡の2つを検討した結果、ガラス製の場合は階段の幅や深さが非常に小さいことにより製作が難しく、一体加工が可能なアルミ切削鏡が良いとの結論を得た。階段ミラーの製作の結果、階段深さ、幅についてはほぼ仕様を満たすミラーの製作に成功した。一方で、予測されていたことではあるが、面粗さについては16 nm Ra程度と、ガラス鏡に比べるとかなり大きいことがわかった。メッキや研磨加工を施すことにより、面粗さは少し改善する可能性がある。また鏡面の一部に筋状のパターンが見られるが、面粗さと共に分光測定への影響を見積もることは今後の課題である。