2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K13486
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笹尾 登 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任教授 (10115850)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ質量 / マクロコヒーラント増幅機構 / 静止光 / 二光子対超放射 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に於いては、対向型の二光子対超放射(PSR, Paired Super-Radiance)研究を発展させ、対向型の二光子対超放射の信号を観測してその性質を調べることを目標にした。本年度の実績としては以下の点があげられる。(1)対向型PSR実験に必要な赤外レーザーを製作した。(2)対向型PSR実験の類似現象実験として、三光子コヒーレント過程の実験を遂行した。対向型PSRでは四光子が関連するのに対し、この過程は三光子が関連する。即ち、二光子を吸収し、周波数の高い光子を放出する過程である。分子の振動レベルを用いた三光子コヒーレント過程では理論的研究があるものの、実験例は我々の知る限り存在せず、本実験結果は新しい知見を与えるものである。観測結果を分析した結果、放出光子の周波数、その強度等は理論とほぼ一致することが分かった。また入射レーザーパワー依存性、離調依存性、標的長依存性などを測定し、これらの結果を説明するように理論を改良した。現在、研究成果をまとめており、投稿を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に於いては、対向型の二光子対超放射(PSR, Paired Super-Radiance)研究を発展させ、その信号を観測し現象の詳細を調べることを目標にした。実績概要にも書かれている通り、対向型二光子対超放射の類似現象実験として、三光子コヒーレント過程の実験的研究を行った。分子の振動準位を用いた過程としては、理論的研究は存在するものの実験的研究は存在しない。理論と実験の詳しい比較をすることが出来ており、コヒーラント現象の理解が進んだ。また成果の一部を論文としてまとめ投稿準備中である。以上の理由により、研究は概ね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に提示した方針を基本的には継続して推進する。但し、平成28年度に三光子のコヒーレント過程の実験的研究を追加した関係で、平成29年度の計画を次のように定める。即ち平成29年度前半では主として対向型二光子超放射実験を行い、後半では最終目標である二光子凝縮体の実験的研究を行う。最後の目標である二光子凝縮体の実現は非常に挑戦的課題である。幸い当該グループには数値シュミレーションの分野にも経験の豊富な理論研究者が加わっており、共同の研究が進展している。また実験を主導的に取り組む若手研究者も複数に参入することになった。これらの人材とも連携を強める。
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Causes of Carryover |
平成28年度に三光子のコヒーレント過程の実験的研究を追加した関係で、対向型二光子対超放射実験は29年度前半に執り行うこととした。このために必要な消耗品代を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
対向型二光子対超放射実験のために必要な消耗品を購入する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Simultaneous Measurements of Superradiance at Multiple Wavelength from Helium Excited States: II. Analysis2016
Author(s)
Chiaki Ohae, James R. Harries, Hiroshi Iwayama, Kentarou Kawaguchi, Susumu Kuma,Yuki Miyamoto, Mitsuru Nagasono, Kyo Nakajima, Itsuo Nakano, Eiji Shigemasa, Noboru Sasao,Satoshi Uetake, Tomonari Wakabayashi, Akihiro Yoshimi, Koji Yoshimura, and Motohiko Yoshimura
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Journal Title
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 85
Pages: 034301
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Single-atom response of helium atoms to pulses from an EUV free-electron laser: Implications for the subsequent development of superfluorescence2016
Author(s)
James R. Harries, Chiaki Ohae, Susumu Kuma, Kyo Nakajima, Tadashi Togashi, Yuki Miyamoto, Noboru Sasao,Hiroshi Iwayama, Mitsuru Nagasono, Makina Yabashi, and Eiji Shigemasa
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Journal Title
PHYSICAL REVIEW A
Volume: 94
Pages: 063416
DOI
Peer Reviewed
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