2017 Fiscal Year Annual Research Report
Soliton generation for neutrino mass spectroscopy
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15K13486
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笹尾 登 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任教授 (10115850)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 光凝縮体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、原子励起状態からの光子を伴うニュートリノ対放出過程に着目し、ニュートリノの未確定重要パラメータを包括的に決定することにある。このため極めて低頻度と予想される素過程頻度を、新原理「マクロコヒーラント増幅機構」により検出可能にまで増幅する。本研究では、マクロコヒーラント増幅機構を対向励起による二光子対超放射を観測することにより実証し、二光子光凝縮体の存在を探索する。先行実験により、同一方向入射のラマン励起法を用いてマクマクロコヒーラント増幅は実現されているが、この励起方法では上記したニュートリノ過程の観測も、また光凝縮体の実現も不可能である。従って、原理的可能性を有する対向型二光子対超放射の実現は意義深い。 本年度はパラ水素分子の振動準位を使った対向型二光子対超放射実験を遂行し、その信号を観測することに成功した。この実験により、離調共鳴曲線、入射レーザー強度依存性、パラ水素圧力依存性などの貴重なデータを取得することが出来た。またMaxwell-Bloch理論に基づくシミュレーションと比較し、一致の良いことを確認した。現在は、論文の執筆と共に、独立したトリガーレーザーを製作し、より詳細なデータを取得している。また今後はガス標的から、コヒーレンス時間が長く密度も高い固体標的に変更することを準備している。更に挑戦的な課題である光凝縮体の生成は、これらの課題が終わった後に順次実行する計画である。なおコヒーランスを用いた微弱過程の増幅という観点から、3次高調波発生の実験を行い、理論との整合性を検証し、その結果を論文にまとめた。
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Research Products
(13 results)