2015 Fiscal Year Research-status Report
トゥファ堆積物を用いた宇宙線強度変動復元手法の開拓
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15K13488
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
宮原 ひろ子 武蔵野美術大学, 造形学部, 准教授 (00532681)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 宇宙線 / 宇宙線生成核種 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の宇宙線変動を復元には、アイスコア中に含まれるベリリウム10や樹木年輪に含まれる炭素14などの宇宙線生成核種を用いることが一般的である。しかし、アイスコアを用いる場合には、古い年代ほど、年層の圧縮により達成できる時間分解能が下がるほか、炭素14を用いる場合には、半減期があ5730年と短いため、約6万年前までの復元が限界である。 そこで本研究では、6万年以上前の年代でも1年分解能で宇宙線変動を復元する可能性を模索するため、古い年代でも1cm以上の年層を保持するトゥファ堆積物(トラバーチン堆積物)に含まれるベリリウム10 を用いた宇宙線強度変動復元の可能性を検討し、その手法を開拓することを目的としている。 本年度は、中国雲南省で採取されたトラバーチン堆積物の基礎分析を行った。また、年層分離の手法の最適化、および化学処理の最適化のため、同一の年層から複数の手法での試料調整を行い加速器質量分析計での測定に向けてターゲット試料の作成を行った。そのほか、ベリリウム10の堆積過程についても詳細に検討するため、一月ごとにサンプリングしたトゥファ堆積物についても前処理を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トラバーチン堆積物の基礎分析およびサンプリングは予定通り遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年5月に、研究協力者の協力のもと中国雲南省および青海省にて基礎分析用の堆積物のさらなるサンプリングを行う。今年度は、その試料の化学処理を行い、東京大学の加速器質量分析計を用いて測定を行う。適宜、中性子モニターによる宇宙線強度データとの比較を行う。
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Causes of Carryover |
ごく少額の残金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品代として使用する。
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