2016 Fiscal Year Annual Research Report
A new modulated X-ray generator fabricated with coniferous carbon nano-structure for future X-ray spectrometers
Project/Area Number |
15K13495
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
玉川 徹 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (20333312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 英俊 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (60583747)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 宇宙物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、理化学研究所の持つ「マイクロパターン電子増幅フォイル (GEM)」製作技術と、産業技術総合研究所の「針葉樹型カーボンナノ構造体 (CCNS)」製作技術を組み合わせ、ナノ秒オーダーで ON/OFF を制御できる超小型X線源を製作することを目指したものである。本年度は昨年度のX線発生成功を受けて、X線発生装置のデザインの最適化、ならびに、その評価試験を行った。電子発生源となる CCNS 基板の面積を直径 2 mm から直径 6 mm に増やすことで、電子発生面が有効に利用できるように改造した。また CCNS 基板の周辺部は、不必要に大きな構造体が形成され、それが壊れることで電極の短絡につながっていることがわかっていたので、その部分を利用しないように、CCNS よりも小さな有効面積を持つ GEM 電極を作成した。この両者を組み合わせることで、改良型のX線発生装置を作成し、X線発生装置として動作させることに成功した。また、GEM 電極の両面に金属極板が存在すると、CCNS との接触面の極板が浮き上がることで電場が歪み、正しく電子が引き出せないことも分かった。このため、CCNS 接触面側の極板を取り去り、片側極板のみの装置を製作し、それを組み込むことで、安定的にX線発生させることが可能となった。最後に、500 nsec のゲートを開いてX線を発生させる ON/OFF 長期試験を実施し、目標としている1週間以上の長期運用を実現することができた。これらの成果について、ストラスブール(フランス)で開催された IEEE 国際会議で発表したが、欧州原子核研究機構 (CERN) や、海外のX線発生装置を扱う企業から共同研究の打診を受けた。また、これまでの製作、評価試験をまとめた原著論文を出版準備している。
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