2015 Fiscal Year Annual Research Report
光励起電子のスピン軌道相互作用の直接観測:オプト・スピントロニクスの実現に向けて
Project/Area Number |
15K13506
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
荒船 竜一 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (50360483)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スピン軌道相互作用 / 鏡像準位 / 2光子光電子分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
スピン軌道相互作用(SOI)は電子の相対論的効果が顕著な形で現われる相互作用であり、近年新しい量子相として注目されているトポロジカル物性の根幹をなす。光によるスピンの観測・制御は有望な技術であり、SOIと光学応答を組み合わせて革新的技術を発展させるために光励起電子のバンド構造におけるSOIの影響を直接測定することは必要不可欠である。2光子光電子分光(2PPE)は光励起電子のバンド構造(非占有準位の電子バンド構造)を直接観測できる優れた手法である。レーザーの高いチューナビリティーを利用し偏光のヘリシティの制御によるスピン選択励起を用いることで、光励起状態のSOIを直接観測する手法ー円偏光励起高分解能2光子光電子分光(CPL-HR2PPE)ーを開発した。 狭帯域パルスレーザーと高調波発生器によるレーザーシステムと、超高真空電子エネルギーアナライザーと低温・超高真空対応マニピュレーターで構成される超高真空システムの改良を行った。とくにこれまで4軸の自由度しか無かった真空中の試料取扱を5軸にした。これによって、光の入射面と光電子の放出角の関係を調べる事が出来るようになった。 光励起バンドにおけるSOIの観測はこれまでに例がなかったが、我々は構築したシステムを用いて、世界に先駆けてそれを実証した。具体的にはAu(001)表面にある鏡像準位状態(IPS)に本測定を適用し、IPSがSOIに由来したスピン分裂バンドとなっていることを初めて実証した。
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Research Products
(6 results)