2015 Fiscal Year Research-status Report
マグノニック結晶の一般化固有値問題におけるバルク-エッジ対応のK理論による定式化
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15K13531
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
佐藤 浩司 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (70708114)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | マグノン / ベリー曲率 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
磁気双極子相互作用を含んだマグノンはベリー曲率を持つことが知られてる。その理解の一環としてベリー曲率を持ったマグノンと電子が相互作用する場合において、電子のベリー位相がどのような影響を受けるのかを調べた。電子-マグノン間の相互作用の形がsd交換相互作用の場合、電子のベリー位相は影響を受けないことがわかった。マグノンとの相互作用に由来した電子の自己エネルギーを計算し、これを含めて電子のベリー曲率を計算すると、スピンを保存するような相互作用の場合はベリー曲率は発生しないということを示すことができる。しかしながら、ベリー位相の効果とは別に、この様なマグノンとの相互作用の元で起こる異常ホール効果への寄与もあるので、その計算を行った。電子-マグノン相互作用を摂動的に扱い、有限温度での計算を行いホール伝導率を求めた。ホール伝導率は３次の摂動からくるスピンカイラリティによって特徴付けられる。電子が熱励起されたマグノンによって散乱されることでホール効果が起こると考えられる。この結果を論文にまとめた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた課題の一つであった電子とマグノンが相互作用する場合のホール効果について結果を得ることができた。これは当初予測していた結果とは違うものであったが、一つの興味深い理解を得ることができた。双極子相互作用を含んだマグノンの詳細にも踏み込めたので、マグノンのベリー曲率の幾何学的な理解を深めるためにも役立つ研究になった。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、マグノンのベリー曲率の幾何学的な理解を目指す。フォトニック結晶におけるトポロジカル状態とのアナロジーも考慮し、マグノンやフォトンのようなボゾン系における一般化固有値問題におけるベリー位相の数学的構造を明らかにする研究を行う。
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| Causes of Carryover |
予定していた学会に参加できなかったことと、打ち合わせなどにかかった費用が予定よりも少なくすんだため、旅費の支出が計画よりも少なくなった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
２７年度の研究を通じて得た結果や研究交流を元に、関連研究者との交流や結果発表のために国際研究集会やワークショップへの参加を予定している。論文の出版などの研究成果の発表等にも研究費を使用する計画である。
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