2016 Fiscal Year Annual Research Report
Preservation of amorphous ultrafine material: A proposed proxy for slip during recent earthquakes on active faults
Project/Area Number |
15K13578
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣野 哲朗 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (70371713)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 活断層 / 地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
1596年慶長伏見地震で活動した有馬-高槻断層帯)の断層試料を電子顕微鏡で観察・分析した結果、周辺の岩石と比較して、数10ナノメートル以下のサイズの非晶質な微粒子が、多く含まれていることを発見した。そこで、非晶質微粒子の溶解速度定数を文献値から参照し、現地の環境条件(温度・pH)にて、何年間保存されうるかを解析した結果、約1000年で完全に消失(地下水に溶解)することが明らかになった。この結果は、「非晶質微粒子が残存している断層≒約1000年前以降に活動した活断層」ということを意味する。
これまで、活断層・破砕帯の評価では,地表付近に堆積している第四紀堆積層のズレの存在が唯一の判断基準であった。しかし、構造物を建築する際、敷地の整地時に第四紀堆積層を削剥し、かつ破砕帯の側方延長の調査でもこの層の露出が得られない場合、その評価はほぼ不可能であった。このようなケースにおいても、本研究で示すように、破砕帯に非晶質微粒子が含まれるかどうかを確認し、その場の環境条件を含めた溶解反応の速度論的解析を実施することによって、直近約1000年前以内に活動したのかどうかを判定することが可能になる。今後、歴史地震を引き起こした他の活断層にて検証を重ね、断層に含まれる非晶質微粒子の種類・結晶性等による影響の精査を行うとともに、溶解速度定数を各断層の試料にて実験的に決定することによって、最新活動時期の推定が期待される。
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