2015 Fiscal Year Research-status Report
地質試料から温度復元する炭酸凝集同位体の効率的測定システムの製作
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15K13580
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
狩野 彰宏 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (60231263)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 凝集炭酸同位体 / 温度復元 / 炭酸塩 / 酸素同位体 / 炭素同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は凝集炭酸温度計の精度を左右する二酸化炭素精製システムの作成と改善を行った。このシステムは炭酸塩ーリン酸反応,水除去トラップ,二酸化炭素トラップを含む真空系と,ガスクロ冷却装置,正/逆流スイッチ,コールドトラップ等を含むコンフロー系からなり,両者を連結することで二酸化炭素の回収率向上を目指した。また,2個のマルチバルブを使用することで,操作性を大きく向上させた点も特徴である。 全ての必要な物品を購入した上て,システムを組み上げ,精製された二酸化炭素を測定することにより,冷却温度やトラップの仕組みについて様々な問題点が明らかになった。それをふまえ,システムに改善を加えて,二酸化炭素の回収率を95%程度まで向上することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二酸化炭素精製システムのデザインが確定し,必要な物品を購入して,システムをくみ上げることができた。さらに,システムの問題点が具体的に明らかになり,それを向上することが出来た。基礎実験の回数は予定よりもやや少なめだが,研究はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の重要な作業は,精製した二酸化炭素を質量分析計で測定することにある。そのためには,凝集炭酸温度計では測定誤差を0.01‰程度に抑える必要があり,そのために最適な測定時間や測定回数など見出す必要がある。そこで,安定同位体測定に明るい学術研究員を雇用し,多くの基礎実験を繰り返す予定である。
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Causes of Carryover |
二酸化炭素精製システムを製作するための部品が予定よりも安価で購入できたため。また,システムを試用するための能力を持つ研究補助要因が見つからなかったので,本格的な試用を次年度に行うこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度には安定同位体測定の経験を持つ学術研究員を4月から雇用し,二酸化炭素精製システムを試用し,回収率を99%程度まで向上させる。その上で,凝集炭酸温度計の測定を実施する。
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