2018 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between magma chamber solidification process and resulting texture
Project/Area Number |
15K13591
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
隅田 育郎 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90334747)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マグマだまり / 火山噴火 / 玄武岩質マグマ / 空振 / ハワイ式噴火 / ストロンボリ式噴火 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まではキラウエア火山の溶岩湖を想定した玄武岩質マグマだまりの固化過程と固化組織の関係を調べるモデル実験を行った。最終年度は実際にキラウエア火山の野外調査、観測を2ヶ月かけて行った。キラウエア火山は2018年5月にLower East Rift Zoneから噴火し、8月に活動が停止した。私は2018年7月下旬から9月下旬にかけてハワイ島に滞在し、米国地質調査所、ハワイ火山観測所の協力を得て、Lower East Rift Zoneの特にFissure 8を中心とする地域の調査、観測を行った。具体的には週に2回程度、Fissure 8に近接した場で、空振と熱画像の同時観測を行い、それらの解析に加え、近くに設置された定常地震観測点のデータ、また臨時に設置された広帯域地震計のデータの解析を行った。空振観測のために、3つのマイクからなるアレイを構築し、Fissure 8の火口を起源とする音源のシグナルが取得できていることを確認した。得られた空振データを解析した結果、噴火活動が活発になると(i) 空振の低周波数成分(0.2-1 Hz)のパワーが増大する一方で、高周波数成分(10 Hz)のパワーは低下すること、(ii) 地震のパワーは周波数によらず増加すること、が分かった。これらのスペクトルの違いは、広帯域地震計のデータにおいても確認された。現在はこのスペクトルの違いを理解するための室内実験の準備を進めている。 関連して、結晶を含むマグマにおける空振の励起メカニズムを調べる実験を完了した。実験の結果、粒子を含む粘性流体は粘弾性体として振る舞うため、気泡の上部が液面より上に出た時点で破裂が起き、減衰振動で特徴付けられるヘルムホルツ共鳴を励起すること、また同時に高周波数の振動も励起することが分かった。同様な空振波形は阿蘇山で観測されており、本実験はそのモデル候補となることを示した。
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Research Products
(5 results)