2016 Fiscal Year Annual Research Report
All atmospheric pressure ion irradiation system aiming at agricultural application
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15K13611
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
和田 元 同志社大学, 理工学部, 教授 (30201263)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | atmospheric pressure / ion mobility / ion flow / mass analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大気圧イオン質量分析法としてスループットが大きいGerdien Condenser法について研究を行い,現地調整による農業土壌,灌漑の成分改良が可能であるか研究を行った.まず,30 cm長のGerdien Condenserを作成し,2.45 GHzマイクロ波電力により大気圧プラズマを供給し,質量分析を試みたところ,得られるイオン流がμAレベルと小さく,また増大できない理由が大気中での再結合であることが判明した.京大間藤教授にも直接取材して化学肥料と比較してコスト的に見合わないとの結論に至った. 他方RFプラズマ源とGerdien Condenserを組み合わせることにより,簡便で高効率,短時間に大気組成の概要を評価できる計測システムを構築できる可能性があることが分かり,研究初年度にその計測系の概要を纏めた.並行して大気圧放電による窒化物固定を実証するため,水耕栽培植物の種子上にN含有イオン(正イオンのNO, N2質量に相当する部分)を照射して実験を行ったが,統計的に有意な差はなく,やはり大きな電力で十分な時間を照射する必要があることが確認された. 大気圧イオン質量分析についてはより多くの知見が得られた.特に,電極材料の大気圧中での変質である.これまで質量分析特性に影響を与えないと考えられてきた電極金属の材質が,数十分程度の比較的速い時間で変化することを見出し,論文にまとめた.他にも長い期間静電界の分布によると思われていたイオン質量スペクトル特性のピーク部分の出現が,実際には局所流体の空間分布に影響を受けることも明らかになりつつあり,大気圧イオン質量分析については,大いに理解が深められた.また,マイクロ波放電から開始したプラズマ生成についても高圧低周波放電や,高周波放電などを用いて,安定で反応率の高い大気圧イオン源も実現することができた.
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