2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K13645
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 徹 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90241520)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アンフィジノール3 / 天然物 / 抗真菌物質 / ポリエンポリオール化合物 / 化学合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は新奇抗真菌剤として設計したAM3のC20-C67部分に相当するアナログ分子の合成を検討した。アナログ分子の中で最も不安定であると考えられるポリエン部分は, C53-C67部分に相当するスルホンを用いたJulia-Kocienski反応を経由して合成の最終段階で導入することにした。そのポリエン部分は‘リンチピンストラテジー’を利用し,根岸カップリングおよびStilleカップリングを順次行うことで効率的に合成することに成功した。C20-C29部分は,クロスメタセシス,オキサMichael反応,およびRoush不斉クロチル化反応を経由して合成した。2つのテトラヒドロピラン(THP)環を含むC31-C52部分を,同一のTHP中間体からエポキシド(C43-C52部分)および(C31-C40部分)へと誘導した後,エポキシドの開環反応を経由して合成する計画を立てたが,その連結法をモデル実験によって確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各フラグメントの合成,および連結法を確立することができたため,目的化合物の合成の完成にかなり近づいている。ほぼ当初の計画どおり進行していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,目的化合物の合成を完成させる。また,ヒトの細胞(赤血球)と真菌の細胞を区別する分子プローブの合成,および選択毒性の高いアナログ分子の合成を行う。本申請者は,既に疎水性部分であるポリエン部と親水性部分であるテトラヒドロピラン環をひとつ含むAM3のC43-C67部分を合成し,その生物活性を評価した結果,抗菌活性および溶血活性のいずれも示さないことが明らかとなった。分子構造から考えると,この分子は細胞膜には結合していると予想されるが,分子複合体を形成しないために生物活性を発現しないと考えられる。そこで,この分子に蛍光基を導入した分子プローブを調製し,細胞を破壊することなく蛍光染色できる方法論を開発する。
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Causes of Carryover |
当該助成金は,金額が小額であったため,本研究で使用する物品の購入に使用することが出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に消耗品費と合わせて使用する計画である。
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Research Products
(9 results)