2017 Fiscal Year Annual Research Report
Photochromic electronic device using photoresponsive charge transport layer
Project/Area Number |
15K13669
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有機エレクトロニクス / フォトクロミズム / 電界効果トランジスタ / 光スイッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、縮合多環芳香族分子を側鎖に有するジアリールエテンをチャネル層に用いた電界効果トランジスタについて、分子合成とデバイス評価を行うことを目的とした。これまでに、ビフェニルを側鎖に持つジアリールエテンを用いた光応答性トランジスタが、紫外光と可視光の照射によって、チャネル層が絶縁体の開環体と半導体の閉環体の間を光異性化することにより、トランジスタ性能の光応答を示し、光照射によるON/OFF比は約1000であることを報告してきた。光照射によるON/OFF比はゲート電圧印加によるON/OFF比と同程度であり、ジアリールエテン閉環体の半導体特性はp型であった。今年度、ベンゾチエノチオフェン環を側鎖に持つジアリールエテンを用いた光応答性トランジスタにおいて、紫外光照射によって生じる閉環体がp型だけでなくn型としても動作するアンバイポーラ特性を示すことを明らかにした。Vd=60 Vに固定した際のドレイン電流のゲート電圧依存性の測定において、Vg=45 Vの前後どちらにおいても正のドレイン電流が誘起され、アンバイポーラ特性を示した。光照射によるON/OFF比は、p型について240、n型について>25と求められた。ゲート電圧印加によるON/OFF比はp型について160、n型について35と求められ、光照射とゲート電圧印加の効果は同程度であった。アンバイポーラ特性を持つトランジスタを用いることで回路中の素子数を減らすことができるために、光応答型のアンバイポーラトランジスタは、集積度の向上に寄与できると考えられる。
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Research Products
(3 results)