2015 Fiscal Year Research-status Report
深部断層イメージングに向けた1000ナノメートルを超える硬X線発光ナノ材料の開発
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15K13672
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小阪田 泰子 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00579245)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | X線励起発光 / イメージング / ナノ材料 / ランタノイド / ポリマードット / アップコンバージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、X線励起で1000 nmを超える近赤外領域に発光を示すナノ材料を用いた個体での断層発光イメージングの実現を目的とした。生体深部 (∼cm)の構造や分子動態をリアルタイムで高解像度に計測することは難しい。発光トモグラフィーイメージングは、生物個体の内部構造を自在に可視化する技術要素として最も着目されている。しかしながら、真に生体の深層 (∼cm)を発光によりイメージングする技術は、現在のところ、発展途上段階である。実現には、発光プローブ、計測装置の両面から、斬新な作用原理導入が必要である。 具体的内容として、 まず、硬X線励起で近赤外光を発光するナノ材料の開発を行う。その候補として1000 nmより長波長側に発光を有するランタノイドを含有するポリマーナノ粒子および無機ナノ粒子の合成を開始した。ランタノイドイオンとしては、水等の吸収、発光の散乱等を考慮し、ネオジウムもしくはユウロピウムイオンを選択した。無機粒子の合成に関しては、ランタノイドをドープしたアップコンバージョンナノ粒子を合成し、980 nmのレーザー照射によるまず可視領域での発光を目視および発光測定により確認した。有機粒子に関しては、ランタノイド含有ポルフィリン分子の合成およびそれらを用いた有機ポリマードットの作成を開始し、現在、その構造および発光特性調査を行っている。また、両ナノ材料の可視および近赤外光励起における発光特性等の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アップコンバージョン無機粒子の合成やポリマードットの合成に関しては、概ね計画通り進行している。また、X線励起発光の測定系に関しても、計画通り準備を進める段階にあるため、本萌芽研究は、概ね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、ナノ粒子の合成と、その構造、光学特性の評価、X線励起発光測定系の構築ならびに励起発光の観察を行い、当初の目的を達成する。
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