2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of hard X-ray excitable nanomaterials beyond 1000 nm toward computational imaging
Project/Area Number |
15K13672
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小阪田 泰子 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00579245)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線 / X線 / 発光 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ材料を用いた生体イメージングは、生命・医療分野での疾病などの特定部位の選択的可視化法として広く用いられている。中でも、近年、その深部生体透過性から700-2500 nmの近赤外光を用いたイメージングが注目されている。その一例で、1400 nmに発光極大を持つカーボンナノチューブを用いた個体の脳イメージングに関する論文が報告された (Dai et al. Nature photonics, 2014, 8, 723, 8211, 730.)。しかしながら、励起波長が700 nm程度と生体透過性が低く、光照射方向から見たイメージしか撮影することが出来ない。つまり、個体内部の見たい位置を3次元的に可視化することは、未だ、実現しておらず、疾病見落としや判断誤りの軽減、創薬プロセスでのスループットの向上に向けた個体イメージングを実現するには、3次元的イメージング手法である蛍光トモグラフィーイメージング手法 (断層像イメージング)の開発が望まれる。申請者は、これまで、光化学の新しい基礎的学理の一つとして、硬X線励起発光に関する研究を行ってきた。具体的には、硬X線領域の波長照射により、可視光発光が見られるポリマーナノ粒子や、金属クラスターが存在することを、世界で始めて発見した (Chem. Comm. 2014, 50, 3549-3551. 2013, 49, 4319-4321.)。今年度は、発光の多色化を試みるため、イリジウム錯体の3つの配位子をホモ体からヘテロ体にすることで、発光の多色化を可能にするナノ粒子の開発を行った。その結果、青から赤に至る発光を有するイリジウム錯体の合成まで達成した。
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