2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of base metal catalyst bearing N4 and PNN ligand toward asymmetric hydrogenation
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15K13693
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北村 雅人 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (50169885)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 卑金属 / 不斉水素化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、申請者らは「ピリジルメチルアミノ基(PyCH2NH-)」を ビナフチ ル骨格に組み入れた、N4型配位子Ph-BINAN-H-Py (Ph-N4)およびPNN 型配位子Ph-BINA N-Py-PPh2 (Ph-PN(H)N)を設計・合成し、cis-α および fac 選択的に様々な正八面体金属錯体を形成することができることを見いだした。この特性は触媒活性種の単一化に有利に働くことが強く期待されるが、実際に、対応するルテニウム錯体が芳香族ケトン類やキレート性・非キレート性を問わず立体的に嵩高いケトン類を効率的に不斉水素化することにはじめて成功した。本年度は、PNN-Ru錯体を用いる不斉水素化反応における反応機構解明研究を進め、その活性種構造を明らかとした。ジカチオン性PN(H)N-Ru錯体[Ru(PN(H)N)(dmso)3](BF4)2は過剰のDMSO存在下、fac構造をとる。これはπ受容性の高いDMSO同士がtransに配位しにくいことに起因する。この錯体を水素化類似条件で反応させると、定量的にヒドリドアミド錯体が立体選択的に生成する。これは3つの異なる配位原子のtrans影響の違いによって、位置選択的に活性化されるためである。CH3OHに溶解させると可逆的にヒドリドメトキシド錯体へと移行する。これらの配位様式が全てfac構造であることを、ピリジン部を15Nで標識することによって明らかにした。さらに、関連錯体からジヒドリド錯体の合成にも成功している。現状の反応探索において目的とする卑金属触媒開発には至っていないが、反応開発に向けた重要な知見が得られたと考えている。
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Research Products
(7 results)